このページの本文へ

Castlewood、『ORB』の記憶容量を従来比2倍以上の5.7GBにアップさせた新製品を11月に発売

2000年06月27日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

米Castlwood Systems社は27日、同社のリムーバブルドライブ『ORB』の最大記憶容量を従来の2倍以上となる5.7GBにアップさせた新製品を、今年11月に発売すると発表した。HDDで使用されるGMR(Giant Magneto Resistive)ヘッドを採用することで大容量化と高速化を達成したという。日本での発売は新日エレクトロニクス(株)が担当し、価格は4万円前後になる見込み。

内蔵型の『ORB』5.7GBタイプ
内蔵型の『ORB』5.7GBタイプ



ORBはCastlwood Systems社が開発したリムーバブルディスクドライブ。HDDと同様の磁気ディスクと読み取りヘッドを採用しており、昨年8月に最大容量が2.2GBタイプの製品を発売。新日エレクトロニクスによると、国内では約5万台を出荷したという。

新製品はGMRヘッドを採用し、最大容量は従来製品の2倍以上の5.7GBにアップした。ディスクの回転速度は毎分5400回転、データ転送速度は従来製品の毎秒12.2MBから毎秒16.5MBへと高速化された。ヘッドのシークタイムは読み取り時が11mS、書き込み時が12mS。アルミニウム製磁気ディスクを採用した専用メディアを利用する。WindowsとMacintoshの両対応。従来の2.2GBメディアは書き込みができないが、読み取りは可能という。

ORBドライブのスケルトンモデル。HDDと同様のヘッドアームが採用されているのが分かる。ヘッドにはクリーニング機構が搭載され、ディスク面のごみやほこりを取り除くという。発表会場では、ディスクにスパイスを振りかけた後でクリーニングし、ムービーデータを読み込むデモが行なわれた
ORBドライブのスケルトンモデル。HDDと同様のヘッドアームが採用されているのが分かる。ヘッドにはクリーニング機構が搭載され、ディスク面のごみやほこりを取り除くという。発表会場では、ディスクにスパイスを振りかけた後でクリーニングし、ムービーデータを読み込むデモが行なわれた



まず11月にIDEインターフェースを採用した内蔵型ドライブを発売し、その後年内をめどにIEEE1394インターフェースの外付け型を投入する。米国での予定価格は内蔵型が399ドル(約4万2000円)、専用メディアが39ドル(約4100円)。日本でのドライブ本体の価格は4万円前後になる見込み。現在の2.2GBタイプの実売価格は2万5000円前後だが、5.7GBタイプの発売後は価格を下げるという。

来日したCastlwood Systems社CEOのサイード・イフティカ(Syed Iftiker)氏は都内で記者会見し、「我々はGMRテクノロジーを真に理解した初めての企業。HDDと同じヘッドや部品を利用しているため、低コストで信頼性が高い」などと新製品に自信を見せた。

新日エレクトロニクス社長の大島房太郎氏(左)とCastlwood Systems社CEOのサイード・イフティカ氏
新日エレクトロニクス社長の大島房太郎氏(左)とCastlwood Systems社CEOのサイード・イフティカ氏



次世代リムーバブル記憶装置をめぐっては、DVDディスクを始めとする光ディスクが本命視されているが、「DVD-RAMは片面の記録が終わると裏返して入れ直す必要があるなど不便だ。ORBはドライブやメディアのコストパフォーマンスも優れている」と述べた。ORBドライブを採用したデジタルテレビ用のSTB(セットトップボックス)やビデオレコーダーが、米国や台湾、韓国の有力メーカーから発売されることが決まっているという。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン