(社)コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)は21日、平成12年度第1回通常総会を開催した。ここで、米国発のファイル交換ソフト『Gnutella』に関する調査プロジェクトをスタートさせたことが明らかされた。Gnutellaは、海賊版ソフトの増殖を助長するとして、著作権者を中心に物議をかもしている。これまで著作権問題を扱ってきたACCSでも事態を重く見て、2週間前に調査活動を開始したという。
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平成12年度第1回通常総会懇親会より。写真は理事長の辻本憲三氏 |
ascii24では、調査プロジェクトに携わるACCS調査部法務課課長の葛山博志氏から、Gnutellaに関してコメントを得た。
「Gnutellaを使って著作物を不正に送信可能化状態に置く、すなわち誰でもダウンロードできる状態にするということは、公衆送信権の侵害に確実にあたる」
「例えば、Gnutellaでファイル交換の対象となる著作物のデータが、外付けのHDDに記録されていたとしよう。ホームページに著作物を一定期間アップロードして送信可能化状態にするのとは異なり、ユーザーがHDDをパソコンに接続する・外すという行為は簡単で、瞬間的に行なえるものなので、摘発をするのが非常に難しい。また、サーバーを経由せずにファイルが交換できるというシステムも、行為の特定を困難にしている」
「一方で、Gnutellaは事業主体のないフリーソフトなので、根元から断つということも不可能である。ユーザーに何らかの心理的な抑止効果を与えるとか、プロテクト技術を法的保護の対象とした上で何らかの罰則規定を設けるとか、そういった方法で防ぐしかないだろう」
ACCSでは、関係する著作権保護・流通団体などと協力し、対応策を講じていきたいとしている。
