バーテックスリンク、業務用リアルタイムMPEG-2エンコーダーカードとデコーダーカードを発表――ホームユーザー向けエンコーダーカードも8月に発売
2000年06月15日 00時00分更新
(株)バーテックスリンクは15日、MPEG-2のリアルタイムエンコードが可能な『REALmagic
DVR』と、DVDやMPEGのストリーミングビデオのデコードが可能な『REALmagic
NetStream 2000』を発表した。企業内ビデオストリーミングサービスやDVDオーサリングのためのシステム構築を行なう、システムインテグレーター(SI)向けに販売する。価格はREALmagic
DVRが15万円、同NetStream 2000が7万円で、28日に販売開始予定。また、ホームユーザーをターゲットにしたエンコーダーカード『REALmagic
DVR Light(仮称)』(価格未定)も8月下旬に発売予定。
バーテックスリンクの由利義和代表取締役社長 |
これらのカードはは同社が日本での総代理店を務める、米シグマデザインズ社の“REALmagic”シリーズの新製品。シグマデザインズは'99年7月に日本事務所を開設し、MPEG-2エンコード/デコードチップの販売などで、バーテックスリンクの協力を得てきた。今後は、シグマデザインズの製品をSIに販売する際に代理店制度を取り、バーテックスリンクが総代理店として、下位の代理店に製品情報の提供や技術サポートを行なうという。REALmagic
DVR、同NetStream 2000、同DVR Lightの3製品を合わせ、年間3万台の販売を計画しているという。
REALmagic DVR
REALmagic DVRは、アナログ入力されたビデオおよび音声を、パソコン上の画面でモニターしながら、リアルタイムでMPEG-1またはMPEG-2のエンコード。エンコードおよびデコードにはそれぞれ専用チップが搭載されており、パソコンのプロセッサーへの負担はわずかであるという。主な仕様は以下の通り。
対応OS
Windows 98/2000/NT 4.0(SP3以降)
エンコード可能なビデオ形式
MPEG-1:352×240ドット(毎秒29.97フレーム、NTSC)、MPEG-2:720×480ドット(毎秒29.97フレーム、NTSC)、MPEG-1
System Streams、MPEG-2 PES/Program Streams、DVD、SuperVCD、VideoCDサポート
オーディオエンコード
リニアPCM 32/44.1/48kHz、16/20/24bit、MPEG-1レイヤー1/2
TV出力
コンポジット、S端子
音声出力
ステレオミニジャック、S/PDIF端子
その他
最大1600×1200ドット(垂直同期周波数85Hz)でオーバーレイ表示可能
REALmagic NetStream 2000
REALmagic NetStream 2000は、米オラクル社、米FVC.COM社などが提供している、ストリーミングビデオシステムのクライアント用デコーダーカード。Windows
98/2000/NT 4.0用のドライバーのほか、Linux用ドライバーも開発中としている。VideoCD、MPEG-1、MPEG-2、DVDビデオ、ストリーミングビデオの再生が可能。
また、REALmagic DVR Lightについては、家庭にあるアナログビデオテープをデジタル化して保存するという用途向けに、それほどデジタルビデオ編集に詳しくないホームユーザーにも提供することを想定している製品だという。上位のREALmagic
DVRとは異なるカードが使われる予定だが、画質は遜色のないものになるとしている。製品パッケージ内容は現時点で未定だが、ビデオ編集ソフトと、DVDやVideo
CDを作成するオーサリングソフトが同梱される見込み。価格は未定ながら、同様のパッケージ内容で販売されている他社の製品よりも安くするとしている。
マルチメディア・システム製品主幹部プロダクトマネージャの加藤大受氏 |
REALmagic DVRおよびDVR Lightでは、アナログ入力のみでDVには対応していないが、これについては、「DVへは、将来対応する可能性はある。DVからMPEG-1、MPEG-2への変換は、(アナログからの変換に比べると)それほど重い処理ではなく、ソフトウェアのみで十分と考えている。DVR
Lightに同梱するビデオ編集ソフトで対応する可能性はある」(同社マルチメディア・システム製品主幹部の加藤プロダクトマネージャ)とした。