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【続報】PS2用の大容量HDDユニット――コンテンツのネット配信に一歩前進

2000年06月09日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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(株)ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)は8日、『プレイステーション 2』専用HDDユニットを発表した。今年の冬の発売で、価格は未定。ここでは、記者会見会場で明らかになったスペックや、コンテンツのインターネット配信に関するSCEI社長の久夛良木健氏の談話を紹介する。

HDDを交換できる仕様も検討

専用HDDユニットの基本スペックについて、HDDの回転数や、容量などは明らかにされていない。記者会見では10GBや40GBという数字が一例として出たが、HDD容量が異なる複数のモデルを用意する予定。ユーザーが交換できるように着脱式のHDDを採用することも検討しているというが、パソコンで使用されているものと互換はとらず、PS2専用のものになるようだ。HDDとPS2を接続するインターフェースはPCカードで、100BASE-TXのEthernetアダプターが搭載されている。

後ろから見たHDDユニット。本体サイズや重量は公表されていないが、奥行きはPS2と同程度になる見込み
後ろから見たHDDユニット。本体サイズや重量は公表されていないが、奥行きはPS2と同程度になる見込み



ユーザーは同ユニットをPS2に接続することで、HDDをデータのキャッシュに利用して読み出しを高速化したり、複数のディスクに収録されたアプリケーションをHDDにあらかじめダウンロードして、メディアの枚数に拘束されずにゲームを楽しんだりできる。また、デジタルカメラの画像データを取り込んだり、デジタル放送画像のHDD録画など、ゲーム以外のアプリケーションを記録するといった用途もある。

SCEIは、PS2を発表した時より、デジタルコンテンツの直接配信“e-Distribution”ということを言いつづけてきた。通信機能を持ったPS2に続いて、大容量ストレージが登場し、いよいよ実現が近づいたという感がある。今回の記者会見でSCEI社長の久夛良木健氏は、「ブロードバンドが家庭に来る時代がくる。パッケージが根幹から変わるだろう」と語った。

インターネットを介したゲームソフトのメーカー直販制度が成立すると、小売店によるパッケージ流通が崩れるという見方があるが、久夛良木氏は「パッケージとネットワークの融合がおこる」と慎重な意見を述べるに留まった。回線速度やアプリケーションの容量の問題もあるが、ディスクに納められているコンテンツ全部をインターネットで提供するという形ではなく、ディスクでコアのプログラムを供給し、追加情報や追加プログラムをデータサーバーから販売するといったサービスや、ゲームソフトを試用した後に料金を支払うサービスが成立するという。

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