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10年後はいつでもどこでもネットに接続できる“シームレスネットワーク社会”――電子協、電子産業の長期的なビジョンを発表

2000年06月08日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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(社)日本電子工業振興協会(電子協、JEIDA)は8日、講演会“2010年の電子・情報産業ビジョン”を都内で開いた。今後10年間の電子産業やIT産業の展望と課題について電子協が調査した結果を説明するもの。インターネットを通じていつでもどこでも情報のやり取りが可能になる“シームレスネットワーク社会”が到来すると予測し、光ファイバー通信網の普及やメモリーの大容量化といった課題を指摘した。

電子協・需要予測専門委員会委員長の加藤功氏 電子協・需要予測専門委員会委員長の加藤功氏



まず、電子協・需要予測専門委員会委員長の加藤功氏((株)富士通)が、“2010年のエレクトロニクス社会像と需要”をテーマに講演した。

加藤氏は、今後は情報インフラの整備や電子機器のネットワーク対応が進み、2010年には“シームレスネットワーク社会”が実現しているという。これは家庭やオフィスにとどまらず、徒歩で移動中でも携帯端末でネットにアクセス、自動車に乗っている時はITSといったように、いつでもどこでも、誰とでもネットワークを経由して情報をやり取りできる社会だという。

実現に向けては、端末機器の小型化や小電力化といった課題を指摘。また常時接続の普及やネットワークの広帯域化といったハードルもクリアーする必要があるという。社会のネットワーク化の進展の結果、電子機器や電子部品、ソフトウェアを含む情報サービスの世界需要は年率7パーセントの勢いで成長を続け、2010年の世界需要は3兆5000ドル(約368兆円)に達すると予測。そのうち日本国内は約46兆円で、これは2000年の1.5倍の規模だという。

電子協・技術予測専門委員会委員長の谷川洋作氏 電子協・技術予測専門委員会委員長の谷川洋作氏



続いて、電子協・技術予測専門委員会委員長の谷川洋作氏((財)未来工学研究所所長代理)が、“2010年のIT技術の展望と課題”と題し、今後10年間の技術の進歩と課題について解説した。

谷川氏によると、情報処理技術では、ビジネス用途でスーパーコンピューティングの需要が高まり、並列化技術の重要性が高まるという。またHDDなどの磁気記録技術では高密度化が進むが、現在主流の熱磁気記録方式ではすでに限界が指摘されているため、膜面に対し垂直に磁化する垂直磁気記録方式の開発が進み、2010年には1平方インチ当たり500Gbitに達するとした。半導体メモリーでは、DRAMは2010年には16Gbitタイプが登場するなど、超大容量化が進むと見ている。

一方、ネットワークインフラは光ファイバー通信が主流になるという。また次世代携帯電話に代表されるワイヤレスアクセス技術の普及で、リアルタイム動画配信といったアプリケーションの開発が進む。そのため、膨大なMPEGファイルの検索技術の整備や、知的財産権の保護が課題になるとしている。

谷川氏は、「こうした技術の進展は、おそらく2005年ごろが転回点になる」との見方を示し、「例えばこの時点でDRAMは非PC以外の利用がPC利用を追い越し、フラッシュメモリーの容量も増大するだろう。そういった結果を踏まえ、2010年に向けた技術的な取り組みが進むのでは」との見通しを述べた。

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