【NETWORLD+INTEROP 2000 TOKYO Vol.8】エリクソンが“All-IP”化へのステップなどの戦略を語る――最新携帯電話が勢ぞろい
2000年06月08日 00時00分更新
Networld+Interop 2000 Tokyo実行委員会が主催する“NETWORLD+INTEROP 2000 TOKYO”の展示会が6月7日~9日までの間、開催されている。
8日には日本エリクソン(株)が、同社の“All-IP”化戦略などについて語る、プレスブリーフィングを開催した。本稿ではあわせて、エリクソンが出展した最新の携帯電話を紹介する。
2003年半ばにはAll-IPワイヤレスマルチメディア端末が商用化される
日本エリクソンのモバイルシステムマーケットサポート本部、IMT2000プロダクトマネジメント部プロダクトマネジャーであるラリー・リチャーズ(Larry Richards)氏がAll-IPワイヤレスに向けての戦略を説明した。リチャーズ氏は、「第2世代は音声に最適化された移動電話システムで、途中からパケットデータが追加された。第3世代はデータに最適化され、その次のステップではAll-IPに最適化された移動電話になる」と語った。
ラリー・リチャーズ氏(中央)と、米エリクソンウェブコム社のビジネス開発ディレクターであるハラルド・グレイフェンスタイナー(Harald Greifensteiner)氏(右) |
「乗り越えなければならない問題として、QoS制御の問題と、周波数を効率的に使うための最適化の問題がある。これらを解決しなければ、All-IPのネットワークは実現しない」と、All-IP化する上で解決しなければならない問題があることを示した。
リチャーズ氏は、All-IP化の進化のステップとして1から7のステップがあるという。
ステップ1:パケット交換のコア・ネットワークの導入
ステップ2:回線交換コア・ネットワークにIP伝送を導入
ステップ3:パケット交換ドメインを独立させる
ステップ4:IPベースの呼制御モデルを導入
ステップ5:IPを基地局まで伸ばす
ステップ6:移動機と基地局間のIP化
ステップ7:回線交換ドメインを切り離す
ステップは必ずしもこの順番で行なう必要はなく、各事業者それぞれの特有の戦略により、各進化ステップを最適なタイミングを選ぶことができるという。
そして、「エリクソンはこのAll-IPワイヤレスマルチメディアの時代が必然的に到来すると確信。それに向けた製品のラインアップを開発している」(リチャーズ)という。
電話と移動体、インターネットが2003年には融合
エリクソンウェブコム社のハラルド・グレイフェンスタイナー氏は、「3つの通信機器、電話と移動体、インターネットがあり、これらは2003年にはほぼ肩を並べる規模となるだろう。そのとき、3つそれぞれバラバラに対応しなければならないのは不便で、これらは融合されるべき」と語った。「IPテレフォニーは、電話とIPの世界をつなぐもので、最も急成長が見込まれる市場の1つである。その市場に対して、『WebSwitch』というiPBXを順次投入している」と説明した。
同社は日本市場において、6月にはWebSwitch 100を、9月にはWebSwitch 3000を発売する予定。3000はiPBXの機能のほかにルーターの機能も搭載している。さらにオプションのCPUボードを装着することで、メールサーバーやウェブサーバーといった機能も付加できるという。
WebSwitch |
これらは、日本市場に投入される際には日本語化の作業が行なわれる。それは、(株)マクニカが担当している。
次世代携帯電話を多数展示
アナログ、デジタルでともに高いシェアをもつエリクソンは、会場において、多数の携帯電話を展示していたので、順に紹介しよう。紫や黄色などカラフルな色が揃うT10(既発売)。アジア地域などでも若い人に人気のモデルだという。小型キーボードやイヤホンアダプターなどを下部に接続できる |
Smartphone R380(モックアップ)。WAP対応でウェブブラウジングできるほか、PDA機能も搭載している。タッチペンで操作する。EPOCをOSに搭載。今年発売予定 |
Bluetooth Headset。今年発売予定。携帯電話に対応アダプタを接続するか、Bluetooth内蔵携帯電話で利用可能になるという |
Bluetooth搭載次世代コンセプトモデル。下においてあるイヤホンで通話する |
同じく次世代コンセプトモデル |