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【NetWorld+Interop 2000レポート Vol.4】各社の展示から――光学式LANや無線LANが多数出品

2000年05月15日 00時00分更新

文● TERO MODA

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5月7日から12日の6日間(現地時間)、米ラスベガスにおいて、“NetWorld+Interop 2000 Las Vegas”が開催された。主催は米ZD Events。同イベントは、全米最大規模のコンピューターネットワークイベントで、9日から開催した展示会には900社以上の企業が出展参加した。

本稿では、展示会場に出品されていた各出展社の新製品などを紹介していく。

光学式LAN『CANONBEAM 3』のオートトラッキング機能

オプティカル(光学式)LANは、ビル間でのデータ転送などに使用されるシステム。今回のショーでは、米AstroTerra社の『TerraLink 3000』、キヤノン(株)の『CANOBEAM 3』、米LightPointe社の『GigaLink 1000』、Silicom社の『Freespace Turbo』などが出展されていた。

米AstroTerra社の『TerraLink 3000』。データ転送速度は10~155Mbps、最大転送距離は3.75km。価格は4万ドルほど(約420万円)
米AstroTerra社の『TerraLink 3000』。データ転送速度は10~155Mbps、最大転送距離は3.75km。価格は4万ドルほど(約420万円)



これらの製品は、転送速度が毎秒数百MBから数GBと高速だ。しかし、光学式を採用しているため、雨霧といった悪天候では通信状態が損ねてしまうほど、障害物に弱い。

また、オプティカルLANのデータ送受機は通常、障害物のない屋上に設置されるが、風や微震などの原因により数mm単位で揺れ動いてしまうことがある。すると、光データは目標位置に届かなってしまい、データが送れなくなってしまうのだ。これを防ぐために、通常のデータ送受機では光を拡散して発射することで、送受光の範囲を広げている。

光を拡散すると、今度は目標物に届くまでにデータが劣化してしまうという問題が起きる。これを解消するため、キヤノンの『CANOBEAM 3』では“オートトラッキング”機能を採用している。この機能は、光データの送り先が移動した場合、自動的にその位置を検知し、光の発射方向を変えるというもの。これにより、光の拡散を最小限に抑えることが可能になるという。

キヤノン(株)の『CANOBEAM 3』。データ転送速度は25~622Mbps、最大距離は2km。価格は約5万ドル(約530万円)キヤノン(株)の『CANOBEAM 3』。データ転送速度は25~622Mbps、最大距離は2km。価格は約5万ドル(約530万円)



米LightPointe社の『GigaLink 1000』。データ転送速度は最大155Mbps、最大距離は1km。価格は約4~5万ドル
米LightPointe社の『GigaLink 1000』。データ転送速度は最大155Mbps、最大距離は1km。価格は約4~5万ドル



米Silicom社の『Freespace Turbo』。データ転送速度は45~155Mbps、最大距離は300m
米Silicom社の『Freespace Turbo』。データ転送速度は45~155Mbps、最大距離は300m



通信最大距離が10キロを越える無線LAN

電波による無線LANは、オプティカルLANほど高速ではないものの、通信距離が長く、比較的障害物にも強い。一方、データ転送速度は、もっとも速い製品で最大155Mbpsだ。

米Gigaant社の『FibeAir 1500』の通信最大距離は16キロメートル、Wave 米Wireless Networking社の『Speedlan LM100』は8キロメートル、米WinNet MSC社の『Win-100』は25キロメートルにも及ぶ。

米Gigaant社の『FibeAir 1500』。データ転送速度は最大155Mbps
米Gigaant社の『FibeAir 1500』。データ転送速度は最大155Mbps



米Wave Wireless Networking社の『SPEEDLAN LM100』。データ転送速度は、最大100Mbps。価格は4万8000ドル(約520万円)
米Wave Wireless Networking社の『SPEEDLAN LM100』。データ転送速度は、最大100Mbps。価格は4万8000ドル(約520万円)



米WinNet MSC社の『Win-100』
米WinNet MSC社の『Win-100』



モバイルの無線LAN製品

台湾のASKEY社では、『Wireless LAN card(WLC010)』を展示。11Mbpsの転送速度を持つ無線LANカード製品で、4月に発売されたばかり。通信可能距離は最大で740m。プラットフォームは、Windows 95/98/2000に対応する。

台湾のASKEY社が4月に発売した『Wireless LAN card(WLC010)』
台湾のASKEY社が4月に発売した『Wireless LAN card(WLC010)』



OTC Telecom社からは、展示はなかったものの『AirEZY 2411』が発表された。同製品はノートパソコンのディスプレー裏蓋に取り付けることができるボックス型の製品で、データ転送速度は11Mbps 。通信可能距離は、最大約70m。

11Mbpsの無線LAN製品の普及を支えるWECA

これら無線LAN製品の普及を支えているのが、業界団体のWECA(Wireless Ethernet Compatibility Alliance)だ。WECAでは、普及機となる11Mbpsの無線LAN製品において、相互接続性の検証と認定を行なっている。WECAの認定を受けると、“Wi-Fi(Wireless Fidelity)”ロゴを取得できる。このロゴを付けた製品同士では、基本的に無線接続が可能となる。

現在、WECAに参加している企業には、3Com、AMD、アップルコンピュータ、コンパック、デルコンピュータ、IBM、富士通、オランダのフィリップス、台湾ASKEY社など37社が名を連ねている。今回のNetworldにおいてWECAは、Wi-Fiロゴを取得した無線LAN機器の接続デモを行なっていた。

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