このページの本文へ

【GDC 2000レポートVol.3】インテルとNVIDIAに聞く――X-Boxチップの真実

2000年03月13日 00時00分更新

文● TERO MODA

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

2000年3月8日~12日(現地時間)、米カルフォルニア州サンノゼのSan Jose Convention Centerにおいて、GDC 2000が開催された。10日の米マイクロソフト社のビル・ゲイツ(Bill Gates)会長の基調講演で、ゲーム専用機『X-Box』(仮称)の全容が明らかとなった。

本稿では、チップの開発をマイクロソフトと行なう、米インテル社と米NVIDIA社へのインタビューをお伝えする。

インテルがCPUを新開発する理由




インテル社のGames Strategy Managerを務めるアンドレ・ヴリヌオ(Andre Vrignaud)氏には、X-Boxに搭載するCPUに関する話を伺った。マイクロソフトは、X-Boxに“Pentium IIIのテクノロジーをベースに新開発したインテル製のCPU(動作周波数は600MHzを予定)”を搭載することを発表している。

インテル社のGames Strategy Managerアンドレ・ヴリヌオ氏
インテル社のGames Strategy Managerアンドレ・ヴリヌオ氏



――X-Boxには、インテル製ではなくAMD製のCPUが搭載されるのではないかという話が、発表ぎりぎりまで出ていました。マイクロソフトとの契約が成立したのは、いつのことなのでしょう?

ヴリヌオ氏(以下同)「先週(3月の初旬)です。しかし、X-Boxに搭載するCPU開発の話がはじめて出たのは1年ほど前のことになります」

――2月16日、“Intel Developer Forum 2000”において、インテル社は600ドル以下のデスクトップ向けに、周辺チップまで統合した低価格プロセッサー『Timna』(コードネーム)を発表しています。X-Boxには、なぜTimnaを採用しなかったのでしょうか。Pentium IIIテクノロジーをベースに新設計しなければならない理由とは何ですか?

「コストの問題です。X-Boxは、DVD-ROMドライブ、8GBのHDDなど、PC並のスペックをもっていますが、デスクトップと同じような価格を設定するわけにはゆきません。そこでCeleronやTimnaよりももっと安価なCPUを用意する必用があったわけです」

――X-Boxが発売になる1年半後、600MHzという処理速度が、開発者やエンドユーザーから見向きもされなくなる可能性はありませんか?

「600MHzという数字は、ビデオチップや記憶装置など、すべてのバランスを考えて出されたものなのです。また、X-Boxはゲーム機であってワークステーションやサーバーなどとはまったく異なるものです。現時点では、600MHzが不足になることはないだろうと考えています。しかし、確かにX-Boxが発売になる2001年秋以降、われわれの予想しなかった何らかの変化が市場に起こるかもしれません。将来、600MHzという速度を変更する可能性までは否定しません」

毎秒1兆の命令を実行する3Dグラフィックスプロセッサー――X-Chip


――X-Chipの共同開発が正式に決まったのは、いつのことですか?
――X-Chipの共同開発が正式に決まったのは、いつのことですか?



NVIDIAのPR Managerを勤めるリッチ・ブラック氏
NVIDIAのPR Managerを勤めるリッチ・ブラック氏



ブラック氏(以下同)「先週の日曜日(3月5日)です。実はマイクロソフト社からなかなか連絡がなかったもので、半ばあきらめていたところだったのです。契約が決まったと知ったときには、とても驚きました(笑)」

――X-Chipは毎秒1兆以上の命令を実行することが可能だということなのですが、これは具体的にどの程度の速度なのでしょうか?

「現行のPCに搭載されているグラフィックスカードの6~7倍以上の速さとなります」

――X-Boxが出荷される1年半後、X-Chipが“ありふれた製品”になってしまう可能性はありませんか?

「それは、きっぱりと否定できます。基調講演のデモをご覧になっていればおわかりのことかと思いますが、あのX-Boxプロトタイプに搭載されていたビデオチップ『N15』の性能を、どのように思われましたか。われわれはあの製品に自信をもっています。しかし、N15のチップ性能はX-Box製品版に搭載するX-Chipのわずか10パーセントにしか満たないのです」

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン