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情報ハブ・コンソーシアム、“Jini”を利用したネットワークアプリケーションインターフェースを実用化

2000年03月03日 00時00分更新

文● 編集部 高島茂男

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情報ハブ・コンソーシアムは3月3日、“Jini*”技術を利用したネットワークアプリケーションインターフェース“Net Liaison(ネット・リエゾン)”の実用化に成功したと発表した。同インターフェースは、さまざまな端末で、安価で安全に利用できることを目的としたもの。6月より、仕様やソフトウェアを順次公開していくという。

*Jini:米サン・マイクロシステムズ社が開発したもので、Java技術を利用して、ネットワークに接続されたコンピューターや機器、ソフトウェアを連携させる技術。分散処理システムの構築に向く

同コンソーシアムには、沖電気工業(株)、シャープ(株)、サン・マイクロシステムズ(株)、KDD(株)、安田生命保険(相)、安田火災海上保険(株)の各社と、慶應義塾大学理工学部情報工学科の松下温教授が参加している。通商産業省の平成10年('98年)新規産業創造技術開発補助金の支援を受け、企業向けのモバイル・分散システムの構築を容易にするネットワークアプリケーションインターフェースの作成と、そのソフトウェアの開発を行なっている。

現時点では、安田生命と安田火災の2社で、有効性の実証実験を行なっている段階だという。それらのシステムでは、沖電気に設置された運用センターと、2社をKDDがネットワークで接続し、シャープが携帯端末を提供している。

6月から順次仕様やソフトウェアを公開

沖電気の専務取締役である榊靖夫氏は、「従業員300人以上の規模の企業では、8割の企業がインターネットを利用している。初期投資や維持コストは費用がかかる。また、モバイル環境では手段がウェブベースに限定されている」「安く、安全に多様な端末で利用できる、アプリケーションのインターフェースが必要。コンソーシアムとして、その研究、開発を進めてきた」と説明した。

沖電気の榊専務
沖電気の榊専務



榊氏は「ソフトを6月から順次公開し、3月中旬には米国でも発表し、グローバルなデファクトスタンダードをめざす」と述べた。

「Jiniは重要な技術。不特定の相手と簡単に接続できることは重要になってくると思っている」(シャープの橋本伸太郎取締役)、「重要なデータはサーバーに置き、端末はそのデータにアクセスする。それを支える技術として、Java、Jiniが重要な位置を占める」(サン・マイクロシステムズ技術推進本部長の植松裕次氏)と、Jiniの果たす役割が大きいことを述べた。

モバイルは営業支援とコミュニケーションの道具として重要

実証実験では、安田生命が営業支援システムを、安田火災が社員と顧客企業間のコミュニケーションシステムを運用している。

安田生命の取締役で情報システム部長の鈴木一雄氏は「プライバシーデータを扱っている特性があり、実証実験に参加した。インスタントメッセージの企業版がこれで実現できるのではないか」と、同システムの安全面とコミュニケーション能力を紹介した。

安田火災の情報システム部長である春山正樹氏も「モバイルがどう使えるかが大きな検討課題」と、営業を補佐するシステムとしてモバイルが重要になっていくという見解を示した。

アプリケーションの画面イメージ
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