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米スパイグラス、日本法人“スパイグラス株式会社”を設立

2000年02月25日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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米スパイグラス社は24日都内で記者発表会を開催し、同社の100パーセント出資による日本法人、“スパイグラス株式会社”を3月1日付けで設立すると発表した。初年度の売り上げ目標は6億円。

米スパイグラス社販売担当バイスプレジデントのジョン・ピゴット(John Pigott)氏
米スパイグラス社販売担当バイスプレジデントのジョン・ピゴット(John Pigott)氏



設立発表にあたって挨拶したピゴット氏は、スパイグラスがフォーカスする3つのカテゴリーとして“ワイヤレス製品”、“インタラクティブテレビ”、“テレコミュニケーション”を挙げた。そして「ポストPC時代の到来が叫ばれる中、インターネットアプライアンス市場において、スパイグラスが果たす役割は、重要である。こういった市場に参入しようとする企業に対して、コンサルティングやソリューションの提供を行なう。スパイグラスが手伝うことで、短時間で参入できる」と述べた。

また「スパイグラスの世界全体の売り上げの中で、現在日本事務所の売り上げが占める割合は5~8パーセントだが、今後の数年間で25~30パーセントにしていきたい。日本法人はスパイグラスの戦略において、アジア市場で重要な位置を占めており、この地域でのスパイグラスのプレゼンスを高めていきたい」と日本法人の重要性を強調した。

スパイグラスは'97年に日本事務所を設立しているが、なぜいまそれを法人にするかということについては、「'97年の事務所設立時は、非PC市場のインターネットビジネスはまだ立ち上がっていなかった。2年が経過し、iモードの普及などもあって市場が立ち上がってきた」ためとしている。日本法人の設立によって、特にモバイル市場とインタラクティブテレビ市場に強い日本企業に強くコミットし、よりよいカスタマーサービスの提供や、ローカライゼーションを行なっていきたいという。

スパイグラス(株)、アジア・パシフィック販売担当ダイレクター仁平則行氏
スパイグラス(株)、アジア・パシフィック販売担当ダイレクター仁平則行氏



続いて日本でのビジネスについて、スパイグラス(株)取締役で、アジア・パシフィック販売担当の仁平則行氏が説明した。

それによると、モバイル分野とインタラクティブテレビ分野において、組み込みブラウザーなどのコンポーネントをただ提供するだけではなく、コンサルティングや各企業の意図に沿ったカスタマイゼーションなど、トータルソリューションの提供を行ないたいという。各企業はスパイグラスと協業することで、世界の最新の市場動向や技術に合わせた製品の開発が行なえ、また世界の各地域向けの仕様を盛り込んだ製品をいち早く提供することが可能になるとしている。

富士通(株)の“@NIFTY”が提供するモバイル向けのウェブコンテンツ変換サービス“モバイルフィッター”や、セイコーエプソン(株)の携帯情報端末『ロカティオ』向けのウェブコンテンツ変換サービスで、同社のコンテンツ変換ソフト『Spyglass Prism』が利用されている。このほかにスパイグラスが持つソフトウェア製品(コンポーネントを含む)には、ウェブコンテンツのフィルタリングやキャッシュ機能を持つプロキシーサーバー『SurfWatch ProServer』、組み込み向けブラウザー『Device Mosaic』、組み込み向けメールサーバー『Device Mail MicroServer』などがある。

想定する顧客は、モバイル市場ではNTT移動通信網(株)などのキャリアーや、インターネット・サービス・プロバイダー、コンテンツプロバイダー。インタラクティブテレビ市場では、特に北米やヨーロッパ向けの製品展開を考えている日本や韓国のメーカーという。

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