ヨーロッパを代表する見本市の“CeBIT(セビット) 2000”が24日、ドイツ北部のハノーバー市で開幕する。期間は3月1日までの7日間。情報/通信テクノロジーの国際見本市としては世界最大規模として知られ、今年は8000社近くが出展を行なうなど、今年1年間の世界市場全体を占うとされている。今年のトレンドは、製品発売を間近に控えるワイヤレス技術“Bluetooth”や、サーバー市場で期待が加速するLinux、インターネットへの接続で多彩なアプリケーションが生まれつつあるモバイル通信などだ。
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CeBIT 2000の会場入り口付近 |
'70年に始まったCeBITは、情報機器の国際見本市。出展社数は年々伸び続けており、今年は昨年を約400社上回る7802社が出展する。うち6割がドイツ企業で、外国企業では台湾が508社でトップ、米国の481社、イギリスの317社が続く。日本企業は34社で昨年より9社減っているが、この数には現地法人を含まないため、実際には50社程度に上る。
日本や米国での見本市と異なり、CeBITはコンシューマー向けのイベントというよりも、トレードショーの色彩が濃い。各社のブースには商談スペースが設けられ、来場したバイヤーと担当者が活発に話し合う場となる。IT業界の成長を反映して入場者も増え続け、昨年は70万人を突破。今年もこれを上回る入場者が見込まれている。
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準備作業が急ピッチで進む会場。奥のビルも会場の一部で、ハノーバー市内で1番高いビルだとか |
会場は広大で、総面積は幕張メッセの約13倍に上るという。電気モーター式のバスが会場内を運行し、市電の駅や銀行、大レストラン、キリスト教会までが設けられ、さながら1つの町となっている。開幕を明日に控え、会場内は物資を運ぶトラックで大混雑。各社のブースでは設営作業が急ピッチで進められている。
今世紀最後のCeBITの見どころとして、まず挙げられるのはBluetoothだ。PDAとキーボード、携帯電話とノートパソコンなど、小型機器間をつなぐワイヤレスインターフェースとして開発され、今夏にも対応製品が発売される注目の技術だ。今年は事実上の“Bluetooth元年”とあって、専門のパビリオンがオープン、各種のデモが行なわれる予定。
またLinuxパビリオンも設けられ、米レッドハット社や米ターボリナックス社らが、主にネットワークでの展開ついてデモを行なう。Windows
2000が発売されたばかりだが、ここドイツでもLinuxへの関心はかなり高いようだ。
移動体通信に関しては、欧州の標準方式であるGSMを拡張したパケット通信方式“GPRS”と、次世代方式であるIMT-2000の開始を来年に控え、モバイルによるインターネット活用にも注目が集まる。日本と比べ、携帯電話の普及率が今一歩とされるドイツだが、電車の中では“着メロ”がけたたましく鳴り、携帯電話の看板が至る所に掲げられるなど、モバイル通信への関心はかなり高い。GPRSに対応したカシオ計算機(株)のインターネット端末もお目見えする予定となっている。
このほか、すでに各種新製品の発表が相次いでいる。ascii24では、会場の様子やトピックを随時お伝えする予定だ。
