(株)フォラックスは22日、同社が2月5日に発売したインターネット向け動画配信サーバー『BBox』(ビーボックス)シリーズ、および3月9日に開始予定のビデオ配信サービス『iTouch』(アイ・タッチ)の説明会を、記者および関係者向けに開催した。
蓑部源治代表取締役社長 |
フォラックスは岩手県盛岡市に本社を置く、'87年に設立されたベンチャー企業。東京とシリコンバレーにも事務所を持つ。システムインテグレーター事業、インターネットホスティングなどの事業展開しており、本年度に株式公開を目指すとしている。
動画配信サーバー『BBox』
BBoxには、ビデオ画像と音声のエンコードを行なう『BBox Livecaster』と、Livecasterと接続してインターネットへのビデオ画像配信を行なう『BBox ライブサーバ・プラットフォーム』、およびこの2つの機能を1台にまとめた『BBox ライブサーバー一体型Livecaster』の3タイプがある。『BBox Livecaster』 |
Livecasterは、ビデオ入力と音声入力を持ち、カメラとマイクを接続して、インターネットでリアルタイムに配信可能なストリーミング形式のファイルに変換することが可能。ファイル形式はリアルネットワークス(株)のストリーミングビデオプレーヤー『RealPlayer
G2』および『RealPlayer 7』で再生することができる“RealVideo”形式。
ライブサーバ・プラットフォームは、リアルネットワークスのRealVideo配信サーバーソフト『RealServer』がインストールされており、RealVideo形式のファイルをインターネットやイントラネット向けに配信することができる。
これらのBBoxはいずれも、基本的にはLinuxを搭載したPC互換機だが、取り扱いが誰でも行なえるよう、スイッチは“スタート”と“ストップ”の2つしかなく、インターフェースもEthernetのみに限られている。ネットワークに関する設定はすべて、フォラックスが設定して出荷するという。
ライブサーバ・プラットフォームと、ライブサーバー一体型LivecasterにインストールされているRealServerは、評価版としてリアルネットワークスが無償で配布しているもので、同時接続数は25までに限定されているが、別途リアルネットワークスからライセンスを購入することで、配信数を増やすことができる。
BBoxは2月5日に発売されており、Livecasterおよびライブサーバ・プラットフォームが19万8000円、ライブサーバー一体型Livecasterが29万8000円となっている。また月1万円でメンテナンス契約(任意)を結ぶこともできる。
ビデオ配信サービスiTouch
平山勝彦代表取締役会長 |
iTouchは、フォラックスが3月に開始する、ライブ映像やビデオ画像の商用配信サービス。正式な発表は後日行なうということで、価格などの詳細については22日には明らかにされなかった。
iTouchには、いくつかのサービス内容がある。まず、BBox Livecasterを使い、同社が用意するサーバーを通じてライブ映像をインターネットに配信するサービス“iTouch/RM”(RealVideo形式)および“iTouch/QT”(QuickTime
4形式)を、個人レベルでも利用できるよう月額1万円以下で提供したいとしている。このサービスでは、利用目的に応じて配信帯域やビデオコンテンツの品質をリモート管理できるような機能も提供するという。
また、ビデオの配信サービス“iTouch/QTdB”も行なう。これはユーザーが配信したいビデオ画像を、ウェブベースの管理画面からアップロードすると、サーバー側に用意されるビデオデータベース機能により、ビデオファイルのカタログが自動的に生成されて、ビデオデータの配信指定などの管理が行なえるというもの。遠隔地教育や、各種のプロモーションなどの画像を使った情報サービスが、サーバーの設置や知識なしで開始できるとしている。なお、このサービスの開始は今年の9月以降に予定されている。
iTouchで利用可能なビデオ形式は、RealVideo形式のほか、米アップルコンピュータ社の“QuickTime
4”形式。米マイクロソフト社の“Windows Media”形式には将来対応予定としている。
このほか、天気情報サービスや観光地案内サービス向けの“iTouch/TT”(定期的に静止画を配信)、“iTouch/MC”(刻々と変わるスライドショーによるサービス)も用意される。