このページの本文へ

【Windows 2000 Expo Vol.6】「ビジネスの未来が、いま始まった!」--ビル・ゲイツ マイクロソフト会長による“Windows 2000 Launch”(前編)

2000年02月18日 00時00分更新

文● 編集部 鹿毛正之

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

「'95年に、インターネットを利用したチープなeコマースが始まりました。そして今、未来のビジネスが明らかになりつつあります」(ビル・ゲイツ氏)--。

最初にステージに現われたのは、“スタートレック・ネクストジェネレーション”のピカード船長役で知られる、俳優のパトリック・スチュワート(Patrick Stewart)氏。未来からやってきたピカード船長の「ビジネスの未来が、いま始まります!」(Future of business begins now!) という言葉とともに、Windows 2000 Launchはその幕を開けた。

ピカード船長こと俳優のパトリック・スチュワート氏が、Windows 2000時代の幕開けを宣言した
ピカード船長こと俳優のパトリック・スチュワート氏が、Windows 2000時代の幕開けを宣言した



「時代はインターネットエイジに」--ゲイツ氏

Windows 2000の公式キックオフイベントである“Windows 2000 Launch”は、17日午前9時半(現地時間)から、米サンフランシスコにて開催された。スチュワート氏は、「新時代への窓を開ける人物」(Man who opens the Window to new era.)とゲイツ氏を紹介。マイクロソフトの会長にしてCSA(チーフ・ソフトウェア・アーキテクト)であるビル・ゲイツ氏が登場し、Windows 2000の正式リリースをアナウンスした。

Windows 2000 Launchの会場となった、米サンフランシスコのBill Graham Civic Auditorium
Windows 2000 Launchの会場となった、米サンフランシスコのBill Graham Civic Auditorium



午前8時には、開場を待つ人の列が数10mに伸びていた
午前8時には、開場を待つ人の列が数10mに伸びていた



会場の周りには、Windows 2000の公式ラウンチをアピールするサインボードカーが10数台も集まってきた。これらのクルマが今日1日、サンフランシスコ市内を走り回る
会場の周りには、Windows 2000の公式ラウンチをアピールするサインボードカーが10数台も集まってきた。これらのクルマが今日1日、サンフランシスコ市内を走り回る



ゲイツ氏は「インターネットは、より洗練されたステージに向かっている」と指摘。HTMLのみに依存していた時代から、現在はASPやスクリプティングといった技術が登場しており、今後はXMLや様々なウェブサービスがインターネットの中心になるとの予想を口にした。そして、「時代はインターネットエイジへと移っていく」と、インターネットを中心としたビジネスの時代が来ると語った。

Windows 2000についてゲイツ氏は、信頼性、拡張性、可用性などに優れたOSであると紹介。Windows 2000を搭載したPCサーバーが結合して、ウェブサービスを提供するようになると述べた。

5000人の観衆を前に、Windows 2000について説明するビル・ゲイツ氏
5000人の観衆を前に、Windows 2000について説明するビル・ゲイツ氏



Windows 2000は90日以上もトラブルフリー

本日発売されたWindows 2000には、『Windows 2000 Professional』『同 Server』『同 Advanced Server』という3つのバージョンがある。

それらについてゲイツ氏は、Professionalはビジネス用途のデスクトップやノートパソコンといった“ビジネスPC”向け、Serverはウェブサーバーやメールサーバーの構築といった“ITインフラ”用に、Advanced Serverは競争力のあるウェブサイトの構築などの“EC”に向いていると、それぞれの特徴を説明した。

3つのWindows 2000について解説するゲイツ氏。ちなみに後方のスクリーンは、高さが12mにも及ぶ巨大なノートパソコンを模した代物だ
3つのWindows 2000について解説するゲイツ氏。ちなみに後方のスクリーンは、高さが12mにも及ぶ巨大なノートパソコンを模した代物だ



すでにマイクロソフト社内では、7万台以上のPCにWindows 2000がインストールされているという。これらのビジネス用PCに求められる要素としてゲイツ氏は、簡便さ、コンパチビリティー、ノートパソコンのサポート、セキュリティー、信頼性などが重要だと指摘。

特に信頼性については、米ジフデービス社が調査した、再起動を必要とするまでに要する平均日数を引き合いに出した。ちなみにWindows 95では2.1日、Windows NT4.0では5.2日ごとに再起動を必要とするが、Windows 2000では90日以上再起動を必要とするようなトラブルは発生しないのだという。

ネットワーク環境での利便性をデモ

今回のイベントでは、寸劇風のデモが随所で見られた。ネットワーク環境におけるWindows 2000の利便性をアピールするデモでは、ベンチャー企業の創業者と投資家が飛行機の中で出会うというシチュエーションを設定。

サーバーと自分のノートパソコンでファイルをシンクロさせ、ノートパソコン単体でファイルを編集した場合には、再接続時にシンクロが実行される様子を実演してみせた。また、プレゼンテーション用のPowerPointファイルをノートパソコンで持ち運び、赤外線通信を利用して別のノートパソコンに転送するという一連の流れを紹介した。

奥に座っている投資家が、手前のベンチャー企業創業者に「キミのプランを5分で説明してくれ」とリクエスト。創業者の若者が、投資家のノートパソコンにファイルを赤外線通信で転送するという内容のストーリーだった。この後、創業者が機内にノートパソコンを置き忘れてしまうが、Windows 2000の万全なセキュリティー機能のおかげでビジネスアイデアは安全、というオチがついた
奥に座っている投資家が、手前のベンチャー企業創業者に「キミのプランを5分で説明してくれ」とリクエスト。創業者の若者が、投資家のノートパソコンにファイルを赤外線通信で転送するという内容のストーリーだった。この後、創業者が機内にノートパソコンを置き忘れてしまうが、Windows 2000の万全なセキュリティー機能のおかげでビジネスアイデアは安全、というオチがついた



マルチCPU環境では動的な稼動CPUの増減が可能

Windows 2000では、サーバーOSとして利用したときのパフォーマンスがウリだ。また、15日にデルコンピュータのマイケル・デル会長やコンパックのマイケル・カペラスCEOが強調したように、マルチプロセッサーのサーバーで、大きく力を発揮するとしている。

ここでゲイツ氏は、SQLサーバーを利用するときのパフォーマンスが、Windows NTと比較として47パーセント向上するという数字を紹介。また、マルチプロセッサー対応のデモでは、Windows 2000 Datacenter Serverを利用し、16CPUのユニシス製サーバー上で航空券の検索をシミュレートしてみせた。

マルチプロセッサーのデモ用に用意された、ユニシスのサーバー(右から2台目と3台目)。右端はEMC社のストレージ
マルチプロセッサーのデモ用に用意された、ユニシスのサーバー(右から2台目と3台目)。右端はEMC社のストレージ



ここでは、稼動するCPUの数を動的に増やしていきながら、8CPUで約40億件、12CPUでは約66億件、16CPUでは約86億件の検索を実行することを実演し、単一サーバーにおける拡張性をアピールした。

12CPU稼動時では、左下に数字が見えているように、約66億件の検索を処理。これが16CPUになると、画面上の世界地図が検索ルートで真っ赤になるほどだった
12CPU稼動時では、左下に数字が見えているように、約66億件の検索を処理。これが16CPUになると、画面上の世界地図が検索ルートで真っ赤になるほどだった



サーバーの処理能力を測る指標として、最近は1秒間あたりのトランザクション数を基準とした“tpmC”を用いるのが一般的だ。Windows NT4.0では、Oracle8iとコンパック製サーバーを利用した場合で10万1658tpmCを記録した。これがWindows 2000では、SQL Server2000と8CPUのコンパック製サーバーを利用して、15万2207tpmCというパフォーマンスを得ることができたという。

ちなみに従来は、IBMのAIX環境でOracle8iを動かしたときの13万5815tpmCが最高の数字だったとのこと。この結果からゲイツ氏はWindows 2000のパフォーマンスがUNIXベースのシステムを上回っているとし、しかもコストは3分の1に抑えることができると強調した。

(後半に続く)

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン