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電子商取引を中心とした先進的情報システムの開発実証事業成果発表会が開催

2000年02月15日 00時00分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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情報処理振興事業協会と(財)日本情報処理開発協会は、“先進的情報システム開発実証事業成果発表会”を都内ホテルで開催した。

この発表会は、政府が、デジタル経済社会の実現による産業構造の高度化、新規ビジネスの創造、地域/中小企業の活性化を推進するため、平成10年度第1次補正事業“先進的情報システム開発実証事業”を、情報処理振興事業協会を通じて、日本情報処理開発協会に委託し、実施した成果を報告するもの。

初日となる今日は、通商産業省機械情報産業局電子政策課長の安延申氏による、“21世紀のデジタル経済社会実現に向けた政策展開”と題した基調講演が行なわれた。

通産省の機械情報産業局電子政策課長である安延氏
通産省の機械情報産業局電子政策課長である安延氏



同氏は、「通産省は今後の日本経済において電子商取引は重要と認識している。日米電子商取引の市場規模について、'98年はBtoC市場において、日本が650億円、米国が2兆2500億円、2003年の予測は日本が3兆1600億円、米国が21.3兆円とかなりの差がある。一方BtoB市場においては、'98年は日本が8.6兆円、米国が19.5兆円、2003年の予測も日本が68.4兆円、米国が165.3兆円となっている」

「日本のBtoB市場は、BtoC市場に比べてかなり検討しているが、これはインターネット経由の電子商取引だけではなく、専用線経由も多く含まれているため。電子商取引の内訳をみると、BtoCでは、日本はPC購入が4割、米国は自動車購入が4割となっている。2003年には日米の内訳は似てくると予測している。傾向としては、PCや自動車を購入するようなセミオーダーメイドタイプと、金融や旅行のチケット購入などの手数料がより安いものが魅力になるタイプの2つがBtoCで伸びていくだろう」

「BtoBは、自動車産業と電子/電気産業においては米国と遜色ないレベルになっているが、化学製品産業や紙、電力/ガスなどの産業では大きな格差がある。電子商取引導入によるビジネス効果としては、製造や販売、流通過程において、設計/製造作業時間の短縮、流通での在庫管理コストの削減、金融業などの仲介手数料のコスト削減などが挙げられるだろう」

「電子商取引が日本で発達するのを妨げる要素として、基盤技術ができてないことと、法律/制度による不利の2点がある。現在の刑法では“情報”には価値を認められていないため、ネットワーク経済に適応した情報の価値を認めるような制度環境を早急に整備しなければならない。また、電子商取引全般はすでに実用化の段階に入っているので、今後は中小企業やベンチャー企業の共通の財産になるような電子商取引事業の支援を行なう必要がある」

「政府のミレニアムプロジェクトとして、スーパー電子政府、教育、技術開発の3つの柱を打ち立てている。スーパー電子政府は、行政自らの電子化。政府機関は電子化が最も遅れているもののひとつで、民間で電子化が進んだ場合、行政関係が紙の書類だと電子化のメリットが失われる。まず政府が率先してベターなITユーザーとなり、すべての手続きをネットワークで行なえるオプションを用意する。教育機関では、2004年までにすべての学校がインターネットにつながる。また、技術開発として、2005年までに高速インターネットと対応ハード、ソフトの開発に力を入れていく。米国には2、3年遅れたが、2000年度は日本のIT化元年だと考える」と語った。

今回の成果発表会では、平成10年度第1次補正事業“先進的情報システム開発実証事業”において採択された開発実証事業の中から、117件の成果が、“福祉・医療・介護システム”、“環境リサイクルシステム”、“消費者が参加する電子商取引システム”、“電子商取引において消費者の利便性を高めるシステム”、“中小企業の電子商取引を容易にするシステム”、“IT技術の活用による新規ビジネス”、“電子商取引の高度化を推進する技術・システム”、“企業間の電子商取引を拡大するシステム”に分類され、展示/デモで紹介される。この成果発表会は、16日まで都内全日空ホテルで開催される。



成果発表会の来場者の受付は、選挙における“電子投票”を想定した『投票券発券システム』を利用して行なわれる。氏名などを記入した用紙と名刺を受付に渡すと、電子投票券が発券される。発表会場内で行なわれるアンケートに、この投票券を利用して参加することで、電子化された選挙を体験できる仕組み成果発表会の来場者の受付は、選挙における“電子投票”を想定した『投票券発券システム』を利用して行なわれる。氏名などを記入した用紙と名刺を受付に渡すと、電子投票券が発券される。発表会場内で行なわれるアンケートに、この投票券を利用して参加することで、電子化された選挙を体験できる仕組み

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