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【韓国ECビジネスレポート】逆オークションで日本に上陸する韓国のWa! Auction

2000年02月02日 00時00分更新

文● EC研究会 代表幹事 土屋憲太郎

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日本法人設立で本格進出を図るWa Commerce社

韓国でオークションサイトの“Wa! Auction”を運営するWamarket Commerce System社(Wa Commerce社)は、今年2月の予定で日本法人の(株)ワァ コマースを設立。さらには日本企業との合弁で(株)ワァ オークションを別途設立し、“日本初の逆オークション”を切り札に本格的な日本進出を果たす。

韓国Wa Commerce社が展開するオークションサイトの“Wa! Auction”
韓国Wa Commerce社が展開するオークションサイトの“Wa! Auction”



(株)ワァ オークションの資本金は5000万円。韓国側と日本側の折半出資で、2月中に設立の手続きを完了する見込みである。同社は韓国ですでにスタートしている“逆オークションシステム”を日本向けに改良し、早ければ3月にも“日本初の逆オークション”を開業する。

逆オークションというのは、買い手側がネット上で競い合う通常のオークションと、別の発想に立脚している。売り手側が買い手の指値に対して応札する形式を取るほか、売り手側があらかじめネット上に購入数量別の割引金額をグラフ化して明示し、品物別に申し込み者(申し込み数量)が増えれば増えるほど買値が下がり、買い手が得をする形式も用意されている。

特に後者の形式は、日本でも発達している生協の共同購入形式によく似ている。日本全国における生協の共同購入実績は約2兆円に達しており、ネット上で逆オークションを開業する前から、関係者の熱い視線が注がれている。

韓国最大の農産物小売市場が、ネット活用で日本に進出へ

(株)ワァ オークションの親会社にあたる韓国Wa Commerce社は、韓国の農業共同組合(中央団体)が持つ小売部門のハナロマ社と提携している。ハナロマ社は、ソウル市内をはじめ大規模な市場を全国に展開。数10万点に及ぶ韓国産の農産物や特産物を、小単位の小包で送れる物流体制を整えており、日本に対しても新鮮で安価な製品をいつでも出荷できるという。

ハナロマ市場にてWa Commerce社長のキム・スンオク社長(左)と筆者の土屋氏(右)
ハナロマ市場にてWa Commerce社長のキム・スンオク社長(左)と筆者の土屋氏(右)



また、ハナロマ社とWa Commerce社は、日本側が希望する品目ラインアップを電子カタログ化(デジタルデータ化)し、日本の大手小売企業が志向している“ウェブEDIシステム”に乗せる準備をすでに整えている。そのため、契約が成立すれば即座に対応できる態勢にある。

さらにWa Commerce社は、大手物流会社の佐川急便(株)とも契約することで、日本での小口配送システムも構築済み。川上から川下まで、物流の準備体制も完了している。

“日本初の逆オークション”を切り札に、早ければ今年3月にも開業にこぎつける予定の(株)ワァ オークションであるが、その成否を握る鍵は、システムそのものというよりもむしろその中身(広い意味でのコンテンツ)にある。商品の品揃えやブランド化戦略など、ネット上におけるECマーケティングが重要だ。

Wa! Auctionのシステムは特許出願済みだそうだが、抜け道はいくらでもあり、資金と人員を投入すれば数ヵ月でライバルが登場する可能性もある。先行者としての優位性はむしろ、ECマーケティングの優劣にあると見るべきであろう。

日本のベンチャー企業に投資も

日本法人の(株)ワァ コマースでは、(株)ワァ オークションをナスダック・ジャパンや東証マザーズに株式公開する予定だ。また、今年6月以降には、ネットビジネス分野の有望なベンチャー企業を日本で発掘・育成する計画もある。外資系ベンチャーキャピタルとしての性格を深め、日本でのビジネス展開ができるように、積極的な活動を行なう予定だ。

具体的な構想としては、「ビルを丸ごと借り切って、スペースを区切った上で、ベンチャースピリットが旺盛な起業家に安価で提供する」といった、インキュベーションセンター的な役割を果たすことを目指している。

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