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日本ヒューレット・パッカード、大容量テープドライブ『Ultrium』の製品化戦略を説明――本年上半期にOEM出荷を開始

2000年01月26日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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日本ヒューレット・パッカード(株)は26日、プレス向け説明会を都内で開き、同社が製品化を進めている大容量テープドライブ『Ultrium』の製品化戦略を発表した。Ultriumではテープ1巻で200GBの記録容量を持っており、増加するストレージ需要に対応できるという。2000年上半期中にOEM出荷が始まり、同社ブランドでの発売は同年末にも始まる予定としている。

日本ヒューレット・パッカードインフォメーションマーケティングストレージ部門長の吉岡茂氏(右端)、米ヒューレット・パッカード社コンピューターペリフェラルブリストルOEMマーケティングマネージャーのスコット・マクリーン氏(右から2人目)、同社ストレージシステムズディビジョンOEMビジネスユニットマネージャーのアダム・スー氏(左端)
日本ヒューレット・パッカードインフォメーションマーケティングストレージ部門長の吉岡茂氏(右端)、米ヒューレット・パッカード社コンピューターペリフェラルブリストルOEMマーケティングマネージャーのスコット・マクリーン氏(右から2人目)、同社ストレージシステムズディビジョンOEMビジネスユニットマネージャーのアダム・スー氏(左端)



Ultriumは、大手ストレージメーカーである米ヒューレット・パッカード社と米IBM社、米シーゲート社の3社が共同開発したLTO(Linear Tape Open)規格に基づくフォーマット。富士通(株)、富士フイルム(株)ら25社が関連製品を開発すると発表している。Ultriumフォーマットの第1世代のテープドライブは、メディア1巻で200GBの記録容量(2:1の圧縮時)を持ち、これは現在のリニアテープ製品では最大の容量。転送速度は最大で毎秒30MBで、DATドライブのDDS-4規格の5倍のスピードとなっている。

展示されたUltriumドライブのテープライブラリー製品。インターフェースはUltra 2/LVD SCSIとFibreChannelに対応している。記録メディアは幅が1/2インチ、長さ580m。カートリッジにメモリーチップが埋め込まれ、ロードやクリーニングの回数を記録する 展示されたUltriumドライブのテープライブラリー製品。インターフェースはUltra 2/LVD SCSIとFibreChannelに対応している。記録メディアは幅が1/2インチ、長さ580m。カートリッジにメモリーチップが埋め込まれ、ロードやクリーニングの回数を記録する



米ヒューレット・パッカード社コンピューターペリフェラルブリストルのOEMマーケティングマネージャー、スコット・マクリーン(Scott Mclean)氏は、2001年以降、企業のIT予算の半分以上がストレージに充てられるとの予測を引用し、「ヒューレット・パッカードでは、ストレージは成長の鍵を握る製品だと位置づけている」と述べ、100GB以上の容量帯がUltriumのキーエリアになるとした。

マクリーン氏は、、「Ultriumはオープンフォーマットとして策定され、各メーカーが競って製品開発を進めるため、開発ペースが早く、高品質な製品が低価格で購入できるだろう」とメリットを強調した。データ圧縮アルゴリズムの改良による大容量化を実現した上、データ記録の堅牢性や、30年以上の保管が可能なメディアの信頼性など、ストレージに要求される性能を高いレベルで満たしているという。またOSはWindows NTとUNIX、Linuxをサポートするとしている。

今後の製品ロードマップによると、記憶容量は第1世代のメディア1巻当たり200GBから、世代を重ねるごとに倍ずつ増加し、第4世代で1.6TB(テラバイト)、転送速度は毎秒320MBに達するという。世代交代が起きてもメディアは完全に下位互換が保たれるといい、マクリーン氏は、「ユーザーは長期間にわたって同じフォーマットの製品を使用することができる」と述べた。

具体的な製品化予定では、単体ドライブから連装タイプ、ラックマウントタイプやSAN(Storage Area Network)対応製品などを考えているという。OEM向けの出荷スケジュールは、単体ドライブと連装タイプが今年上半期中、低価格モデルとFibreChannel対応モデルが今年下半期に予定されている。自社ブランドでの発売はやや遅れ、国内では今年の年末ごろになりそうだという。

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