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企業間データベースなどで威力を発揮するXML――“ネットワークカンファレンス2000”より(前編)

2000年01月25日 00時00分更新

文● 正月孝広 

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21日、昨日に引き続き大阪南港WTCホールで開催された、“ネットワークカンファレンス2000”のテーマは“XML Day――XML、WEBビジネスで活かせる新手法”。XMLの関心の高さを示すように、会場には立ち見が出るほどの参加者が集まった。主催はソフト産業プラザイメディオ。

WTCセミナー会場
WTCセミナー会場



このレポートではXMLの基礎とウェブページにおけるセッションを取り上げ、次のレポートで具体的な活用事例の紹介を行なう。

最初のセッションに登場したのは、インフォテリア(株)の代表取締役社長、平野洋一郎氏。XMLの基礎と応用事例について講演した。

インフォテリアの平野氏。とても分かりやすくXMLを解説
インフォテリアの平野氏。とても分かりやすくXMLを解説




第3世代のXMLのメリット

XMLの基礎解説では、“XMLはネットワークの第3世代を築くものである”と提示。まず、第1世代のネットワークにはテキストデータしか流れなかった。現在の具体例でいうとメールなどがそれにあたる。

次の第2世代。そのテキストデータに表現(書体、カラー、レイアウトなど)が付くようになった。HTMLの時代である。'90年代、このHTML、ブラウザーの登場により、インターネットは爆発的普及をみる。しかし、この表現されたテキストデータは、人間が見て判断するからこそ、その意味が分かる。コンピューターにとっては意味が分からない、ただのデータである。

そして、次に来る第3世代、コンピューターにも判断できる、つまり意味情報も追加されたテキストデータを持ち、表現(スタイル)は別に扱うXMLが脚光を浴びた。データそのものに意味があるので、データとソフトとのアンバンドリング、つまりフォーマットに縛られない状況が発生する。

これらのことをまとめて、XMLの利点は“プラットフォームに依存しない”、“データそのものはオープンなテキストの仕様である”、“現在のインターネットの技術をそのまま使用できる”ということを挙げた。

米国における電子商取引にはCBL

次にこのXMLに適したシステムへと話は展開した。データそのものに意味があるXMLは、まず複数のシステムやソフトをまたがるもの、具体的に企業間データベースなどでは威力を発揮する。

また表現の形態に多様性があるもの、PCやPDA、携帯電話など、アウトプットが異なる場合でも、それぞれのデバイスがスタイルを持っていればよく、データの更新が1つで済む。

そして長期間保管が必要なものでのメリット。現在使っているアプリケーションソフトのファイルフォーマットが10年後も使えるかどうかははなはだ疑問であるが、特定のファイルフォーマットに依存しないXMLであれば、この問題は簡単に解決する。

さらに平野氏は、XMLの応用事例として'98年2月にXML1.0がアナウンスされてからこれまでの現状を解説した。現在、地理情報を扱うG-XML、次世代衛星デジタル放送のB-XML/BML、電子カルテのMML*、米国における電子商取り引きでのCBL*などを紹介した。

*MML:Medical Markup Language。'95年5月に発案されたSGMLベースのデータ仕様で、医療機関同士で診療データ交換を実行していくための文書規格のこと。昨年11月にはMML2.2.1が正式に発表された。宮崎医科大学付属病院が同仕様の医療情報システムを稼働し、島根医科大学も地域医療情報システムでMML 2.01を既に活用している

*CBL:Common Business Library。電子的商取引に用いられる見積依頼、発注依頼などの基本フォーマットや、それらの中で繰返し使われる会社名や住所、価格などの情報単位をXML化したモジュールを提供する。 米国VEO Systems社のウェブ(http://www.veosystems.com)からダウンロードできる

最後に、XMLのは次世代のネットコミュニティーの鍵を担う存在になるとし、セッションを締めくくった。

XMLを使ったデータベースの構築は実務経験者が必要

PROJECT KySSの薬師寺国安氏と薬師寺聖氏が行なったセッションは、“Webページ制作におけるXML入門”。国内でも有名なXMLのウェブサイトを運営するPROJECT KySSが、これまで体感したことを具体的に紹介した。

愛媛から来たPROJECT KySSの薬師寺国安、薬師寺聖夫妻。国安氏がプログラム、聖夫人がデザインを手掛ける、とても息の合ったユニット
愛媛から来たPROJECT KySSの薬師寺国安、薬師寺聖夫妻。国安氏がプログラム、聖夫人がデザインを手掛ける、とても息の合ったユニット



メールのでの問い合せで多いのは、“自社業務でのXMLの活用方法が思いつかない”、“何から始めていいのか分からない”、“社内での提案方法が分からない”というもの。

薬師寺国安氏はまず、関心の持たれやすいウェブページのXML化を行ない、作業の合理化と、情報提供の合理化、そして先進性のアピールを提案した。その次に聖氏は、効果達成の必要条件を具体的に解説。事実に基づいているデータベース情報、日常の感覚を逸脱しないページの主張や表現などを挙げた。そのなかでも、データベースについては、生きているデータでないと意味がないと強調。これら生きているデータを扱うには、業務を熟知していて、経験の豊富な40代以上のベテランが活躍に最も適しているとした。

後半、詳細なファイルの設計や作成の解説に移った。制作の企画ではオリジナリティーを出すアイデアと、それを実現するための最適な記述方法など技術的裏付けが何よりも肝心とし、次に扱うデータの洗い出しと検証を慎重に進め、目的に応じたデザインで公開する。

XMLページでは、数値、文字、画像などをデータとして処理(具体的にブラウザーでの検索、ソート、一覧表示など)が行なえるので設計は特に重要とのこと。最後に、薬師寺氏は福祉データでのXMLページを紹介した。現実的な緊張感のあるデータは、参加者の関心を集めていた。

紹介できなかったXMLの具体的な活用事例は次のレポートでお届けする。

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