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XMLの階層構造をそのまま取り込むデータベースも登場――ネットワークカンファレンス2000より(後編)

2000年01月25日 00時00分更新

文● 正月孝広 

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21日、ソフト産業プラザ、イメディオの主催により、大阪南港WTCホールで開催された“XML Day――XML、WEBビジネスで活せる新手法”。本稿では、セッションで発表された具体的なXMLの活用事例を紹介する。

コーディネーターにW3C SYMM WGメンバー、檜山正幸氏を迎えた本セッション。“XMLの活用事例”と題し、国内の最新事例を紹介した。セッションでは、(株)東洋情報システム産業第1事業部マルチメディアビジネス営業部主査、加藤哲義氏と、ジェットフォーム・ジャパン(株)の営業支援部部長、佐々木徹氏がシステムの詳しい説明をした。

コーディネーターを務めたW3C SYMM WG メンバーの檜山正幸氏。月刊アスキーにおいて“XMLへの招待”と題する連載を受け持つ
コーディネーターを務めたW3C SYMM WG メンバーの檜山正幸氏。月刊アスキーにおいて“XMLへの招待”と題する連載を受け持つ



3つのフェーズを経て、4月以降に先進事例が登場

「ソフト開発を主な業務とする弊社では、早くからすべてのビジネスがインターネット上で行なわれる状況を見据えて取り組んできた」と、加藤氏は語る。同社のXMLへのビジネス展開は早く、開発環境の整備やビジネスモデルの構築に力を注いでおり、国内ではXMLビジネスの最先端を担う企業となっている。このことは、XMLデータをダイレクトに扱うことができるデータベースシステム『eXcelon』*の製品展開からもうかがい知れる。

*
eXcelon:従来のRDBは平面的なテーブルにデータを格納していく。そのため、XMLの階層化された立体的なデータを格納するためには、マッピングと呼ばれる変換作業が必要となる。eXcelonはオブジェクト指向データベースを核に持ち、XMLの階層構造をそのまま取り込める。XMLに新しい要素が追加、更新されても、そのXMLファイルを再度読み込むだけで、自動的に構造の変化をデータベースに反映できる

加藤氏は、昨年からのXMLの市場動向を次のように分析している。'99年6月ごろまではXMLそのものの紹介の期間で“Ready”の状況だった。そして9月ごろまではどのデータをXMLに置き換えるか、そのビジネスモデルを模索する“Study”期間。次の2000年3月ごろまでは、設計やプロトタイプの開発による有用性を実証する“Make”の期間。最後の2000年4月以降には、いよいよ先進事例が登場し、一般に普及していく“Use”が始まるとしている。

東洋情報システムの加藤氏。檜山氏のXMLオヤジに影響を受け、自ら“XMLの角川春樹”と称し、会場から喝采を浴びる一幕も
東洋情報システムの加藤氏。檜山氏のXMLオヤジに影響を受け、自ら“XMLの角川春樹”と称し、会場から喝采を浴びる一幕も



更新作業の効率化。元データの更新を一元的に

XMLに関心がある企業は小規模オフィス、もしくは大手企業の2極に分類されるという。小規模オフィスではXMLという新規ビジネスに向けて素早く対応しており、大手企業では自由度の非常に高いXMLの規格統一に向け、積極的に活動している状況がうかがえる。現在の状況を示すデータとして非常に興味深いものである。

加藤氏は現在の実証事例をいくつか紹介した。その中でも複数の検索項目をブラウザー上で操作し、結果表示の作業が完結するシステムは好評であった。もちろん、XMLで記述されるということは、この元データの更新が即、多数のフォーマットの結果に反映されることになる。

この更新作業の効率化は非常に魅力的であるが、それと同時にXMLでデータベースを構築すれば、これまで数値化しにくかった抽象的なデータに対する活路も見い出せるという。現状をそのままの表現で文章として蓄積し、全文検索を掛けることによって、あいまいな状況でのモデルケースをシェアすることが可能になる。

加藤氏は「本当の意味で生きたデータを扱えることがXMLの魅力だ」と締めくくった。

帳票を電子的に同じデザインで作成、XMLデータとして管理

次に、電子帳票の分野では世界的なシェアを誇るジェットフォーム・コーポレーションの日本法人、ジェットフォーム・ジャパン(株)営業支援部部長、佐々木徹氏がセッションに登場した。

ジェットフォーム・ジャパンの佐々木氏
ジェットフォーム・ジャパンの佐々木氏



佐々木氏はまず、業務文書の83パーセントに帳票が扱われているとした。この膨大な量の作業を改善するために、ジェットフォームではいろいろなツールを展開している。米国では行政機関や金融業界、IT産業に採用され、評価を得ているそうだ。

具体的な製品として紹介された“FormFlow99”は、XMLデータベースの活用とウェブから操作する、電子フォーム環境を提供するツールである。既存の帳票を電子的にまったく同じデザインで作成し、個別の項目をXMLデータとして管理、蓄積する。自由度と拡張性の高いXMLデータを扱うことにより、いままでの作業と比べ効率の良い業務ができるようになる。

新しいテクノロジーとして、注目を集めているXMLであるが、既に最先端では実証実験も終え、実用化している企業も数多く見受けられる。業界での統一プラットフォームの制定、クライアントソフトの開発など、これからの課題も多いが、XMLがネットワークの次世代標準規格として、すぐそこにあることを実感できるセミナーであった。

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