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帝人システムテクノロジー、“B-Tree”考案者のBayer教授来日記念セミナーを開催

1999年12月07日 00時00分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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(株)帝人システムテクノロジーは、リレーショナルデータベース用のテクノロジー“B-Tree”の考案者であるドイツのミュンヘン工科大学教授のRudolf Bayer(ルドルフ・ベイヤー)氏を招き、都内で記念セミナーを行なった。

“B-Tree”考案者であるミュンヘン工科大学のRudolf Bayer教授“B-Tree”考案者であるミュンヘン工科大学のRudolf Bayer教授



Bayer教授は、「次世代データベースアプリケーションについては、1.データベースが巨大であること、2.データベースが多次元であること、3.複雑な探索が行なえること、という3つの要素が必要。具体的には、今後データベースはデータウェアハウスとなり、地理的データを保有するとともに、株価情報などの時系列データを示すようになるだろう」

「“B-Tree”は'69年に考案された、商用RDBMSに対する有効な技術だった。B-TreeがなければRDBMSの商業的な成功はなかっただろう。“UB-Tree”は、B-Treeの次世代技術で、考案されたのは'96年。このUB-Treeは次世代データベースの有効な技術になると確信している」

「UB-Treeは、例えば、消費者購入パターンのデータ、地理データと時系列データを組み合わせたデータ、携帯電話の通信記録データなどに活用できる。携帯電話の通信記録の場合、“誰が”“誰宛てに”“いつ”“どこで”“何分”電話をかけたかという5次元のデータが必要となる。にならなければならない、1つのコールを記録するのに1B(バイト)必要とした場合、1000万ユーザーが1日1回電話をかけると、1日で10GB、1年で3.6TB必要になる」

「データは動的に次ぎから次へとやってくるものなので、アップデート処理をしなくてもリアルタイムに更新されなくてはならない。データ挿入削除に関する優れた性能が必要であり、メモリーの利用効率も優れていなければならない」

「UB-Treeはデータをクラスター化でき、巨大データベースにおける優れた性能を持ち、データベース領域の効率的なZアドレス計算(ビットの挟み込み)が可能。処理速度も速く、必要とする記憶領域が非常に小さくて済む。応答時間は結果セットのサイズに比例する。OracleやInformixなどのさまざまなDBMSへ統合できる。このような機能を持ったデータベースアプリケーションは今後革命的なものとなるだろう」と説明した。

続いて、ドイツのTransAction Software社社長のChristian Roth(クリスチャン・ロス)氏が、同社新製品である『TransBase HyperCube』を紹介した。

TransAction Software社のChristian Roth社長TransAction Software社のChristian Roth社長



TransBase HyperCubeは、UB-Treeの概念を用いた知的データベース。TransAction Software社が開発したリレーショナルデータベースシステムのスタンダードである『TransBase』をベースに、UB-Treeテクノロジーのインデックスと統合した多次元対応のリレーショナルデータベース(RDB)。マルチユーザー/マルチプラットフォームに対応し、SQLやODBC、JDBC、TCP/IP等と互換性がある。物理的にクラスタリングされたUB-Treeを搭載し、TransBaseと比較し、アクセスパスの多次元対応や、DDLの拡張が行なわれている。

日本国内では、帝人システムテクノロジーがバイヤーとなり、製品単体の販売とシステム受託開発のほか、VAR製品の開発と販売、およびミドルウェアの開発と販売を行なうという。発売日や価格などの詳細は未定で、後日正式発表するとしている。

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