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“99XMLフェスタ”に登場。サンマイクロシステムズのジョン・ボサック氏

1999年11月15日 00時00分更新

文● 編集部 井上猛雄

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11日から13日に掛けて、東京池袋のサンシャインシティ・コンベンションセンターで、(社)日本経営協会の主催により“99XMLフェスタ”が開催された。この“99XMLフェスタ”は、デファクトスタンダードとして最有力候補になっているXMLに関する技術を幅広く紹介するイベントである。本稿では、XML(eXtensible Makup Language)CGの議長であるサンマイクロシステムズのジョン・ボサック氏によるキーノートスピーチの模様をお伝えする。

本稿では、XML(eXtensible Makup Language)CGの議長であるサンマイクロシステムズのジョン・ボサック氏によるキーノートスピーチの模様をお伝えする。

XMLについて解説するサンマイクロシステムズのジョン・ボサック氏
XMLについて解説するサンマイクロシステムズのジョン・ボサック氏



講演にあたり、まず、ジョン・ボサック氏は、なぜサンマイクロシステムズが利益の出ないXMLのプロジェクトに参加したのか? という理由について述べた。

XMLは“ルールの集合”

ウェブで広く使われているHTMLは、小規模で単純な文書の表示には適しているが、その反面、決められたエレメント(タグ)しか使用できないという欠点がある。ボサック氏は、HTMLがウェブ上の電子出版に対応するために不利であり、クライアントに対する分散アプリケーションに対しても不利であること、さらにインプリメント(移植)しやすいものにしたかったことを挙げた。

HTMLやXMLは、ともに構造化した文書を汎用的に記述するためのSGML言語(Standard Generalized Markup Language)をベースにしている。HTMLがSGMLの1つの文書構造なのに対し、XMLはSGMLのサブセット(SGMLの応用ではなく、SGMLそのものを単純化したもの)であり、柔軟性があるというメリットがある。

XMLではタグ名とタグが置かれる場所(文書構造)、その機能を“DTD(Document Type Definition)”ファイルに定義し、独自のタグを作成できるようにしている。クライアントに置いたソフトが、DTDを参照して拡張タグを解釈する。そして、その処理をウェブブラウザーやアプリケーションソフトに引き渡す。

ボザック氏は、XML自体は歴史的に新しいものではないこと(注)を明確にした上で、「XML自体はすべての基本となるメタ(超)マークアップ言語であるが、XMLファミリーの1つにすぎない。XML以外に次世代のハイパーリンク“XLink/Xpointer”(HTMLよりも強力なハイパーリンクのメカニズムを提供する)、XMLスタイルシート言語“XSL”(XML文書の見えかたを定義する)、DOM(Documet Object Model) などがある」と説明した。

注)XMLのベースであるSGMLがISOの規格になったのは'86年のこと

また、ボサック氏は、XMLのプロジェクトを推進する上で、いかに標準化を進めていくかが重要であるかということを強調した。

「それぞれの応用分野にふさわしいマークアップ言語を作るための“ルールの集合”がXMLであり、XMLを利用すれば、たくさんの言語が使えるようになる。しかし、そのためにはその業界が合意を持って作っていく必要がある」


注)各業界にたくさんのタグセットが出ている。たとえばウェブキャストのチャンネルを記述するCDF、ソフトの配布と自動更新をするOSDのほか、化学式のタグで表現するCML、数式をタグで表現するMathMLなど

371社のメンバーが集うW3C

次にボザック氏は、どのような団体によってXMLが進められているかについて紹介にした。

「XMLには大きな2つの団体がある。1つはW3C(World Wide Web  Consortium)。もう1つはOASIS(Organization for the Advancement of Structured Information Standards)である」

「W3Cには371社のメンバーが集い、グループを形成して、技術を開発している。“XML Core WG(WorkingGroup)”では、XMLの基本的なシンタックスを、“XML Linking WG”では、次世代のハイパーテキストを、それぞれ作っている。これは、1つの場所から複数の場所にリンクを張れるといったもので、あと2ヵ月ほどで、正式な新しい勧告が出る。また、“XML Schema WG”は、次世代のDTDを作るグループ。“XML Query WG”は、Query Languageの標準化を進めている。これら以外にも、まだ作られていないが“Packaging WG”という団体もある。XMLと密接に関連したグループとして、スタイルシートを作るための“XSL WG”と、XMLのAPIを作るための“DOM(Documet Object Model) WG”もある」



XMLの生みの親、ジョン・ボサック氏


もう1つの団体“OASIS”の役割とは?

W3CにおけるXMLの活動以外に、もう1つの団体としてOASISがある。OASISはW3Cよりも歴史があり、XMLのコア技術を開発するために設けられた国際機関である。

XMLでは、産業別にいろいろな言語を作れるが、メーカー独自のスキーマーが現われると、特定プロダクトだけしか使えないような言語になる恐れがある。標準言語を作るためには、民主的なプロセスによってメーカー同士の利害関係をまとめ、すべてのユーザーを代表するものにしなければならない。競合関係にある大手メーカーのコミュニティーの合意を得て、技術だけではなく法的な問題も含め誰もが使える知的財産にする必要がある。

ジョン・ボサック氏は、「業界全体に合意をしてもらい権利をすべての人々に分配するために機能するのがOASISである」と、OASISの目的について説明をした。

具体的には、新しいXMLのプロジェクトをスタートさせること、現行のXMLの動きを調和させることが主な仕事である。たとえば、EDIはXMLを利用すべきであるということは分かっているが、実際には米国やヨーロッパで大きな意見の食い違いがある。データ交換の方法などについて考え、EDIの利害関係を克服しようと試みている。

また、標準化したものをすべての人々に分かち合うためには、最新バージョンを調べられるようなレジストリーが必要になる。これがXML ORGである。スキーマーなどを誰でも使いたい人々のためにダウンロードできる中立的なサイトとして働く。

W3CとOASIS――この2つの大きな柱となる団体の活動によって、XML標準化を推進している。

最後にボサック氏は、「団体を運営していく上では、大手企業によるスポンサードは必要だが、中小企業でスキーマーを使いたい人がいつでも使えるようにすることも重要である。そのためには、たくさんの企業はもとより、XMLに興味を持つ人々に対しても積極的に我々の活動に参加して欲しい」と、聴衆に参加を呼びかけ講演を終えた。

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