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NTTデータ、トレンドマイクロらと合弁でネットワークセキュリティー会社“NTTデータセキュリティ”を設立へ

1999年10月28日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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(株)エヌ・ティ・ティ・データは28日、トレンドマイクロ(株)ら4社と合弁で、ネットワークセキュリティーのソリューションを提供する新会社“エヌ・ティ・ティ・データ・セキュリティ株式会社”を11月中に設立する、と発表した。新会社では、企業ネットワークへの不正アクセスの監視などリモートメンテナンス業務のほか、セキュリティーに配慮したネットワーク構築やコンサルティングを行なう。設立4年程度で年間300億円の売上を目指している。

都内のホテルで開かれた記者発表会
都内のホテルで開かれた記者発表会



新会社の資本金は3億円を予定。うちNTTデータが64パーセントと過半数を出資し、トレンドマイクロが20パーセント、(株)日立製作所が10パーセント、日本シスコシステムズ(株)とエスアンドティーコンサルティング(株)が3パーセントずつ引き受ける。社長にはNTTデータネットワークコンピューティング事業部長の浜崎達彦氏が就任。本社は東京・渋谷区内におき、社員約20人でスタートする。

新会社では、ネットワークセキュリティーに関するサービスを1社で総合的に提供することを目的としている。具体的な業務内容は、ウイルスチェック、不正アクセス監視といったリモートメンテナンスを24時間365日行なうサービスや、セキュリティーの診断とより安全なシステムの構築、製品販売も含まれる。

NTTデータは同社が培ってきたネットワークセキュリティーの技術、トレンドマイクロはウイルス防止技術、日立製作所は暗号・認証技術、日本シスコシステムズはファイアーウォールなどの製品、S&Tコンサルティングは情報セキュリティービジネスのマーケティング情報を提供する。各会社の製品のカスタマイズや、オリジナル製品の開発も行なっていくという。協力会社は今後さらに増やしていく方針だ。

新会社のサービス提供開始は2000年中ごろを予定。2000年度の売上は40億円を予定し、4年後にはネットワークセキュリティー市場の40パーセント以上のシェアを獲得、年間300億円の売上を目標にしている。

合弁会社設立で握手する各社の代表
合弁会社設立で握手する各社の代表



発表会で、NTTデータ副社長の河合輝欣氏は、「新会社の目的は、セキュリティーを包括的にサポートすること。今後は機動性を要する業務を新会社、ノウハウを必要とするサービスはNTTデータが引き受ける形になる」とし、NTTデータ自身は電子文書証明サービスなど、技術が必要なサービスに特化していくとの方針を語った。

「製品提供が主体のサービスとは一線を画し、顧客にとっての情報セキュリティーパートナーとしてやっていきたい」と語る河合副社長「製品提供が主体のサービスとは一線を画し、顧客にとっての情報セキュリティーパートナーとしてやっていきたい」と語る河合副社長



トレンドマイクロ社長のスティーブ・チャン氏は、「トレンドマイクロが合弁会社設立に参加するのは初めてとなる。新会社を通じ、行政や大企業にサービスを提供し、高い信頼性を持った製品を開発することが使命だと考えている」とした。

「各分野のトップ企業がそろった。これをドリームチームと呼びたい」と話すチャン社長「各分野のトップ企業がそろった。これをドリームチームと呼びたい」と話すチャン社長



新会社の社長に就任する浜崎氏は、「ネットワーク社会では、セキュアーでなければコミュニティーから追い出され、ビジネス自体が不可能になるだろう。しかしプロダクト提供が中心だった従来のサービスでは万全の対策は難しい。新会社は、顧客企業のシステムに最適で包括的なセキュリティー管理システムを提供するまったく新しい会社だ」と自信を見せた。

「インターネット社会におけるセキュリティーインフラの一翼を担いたい」と語る浜崎氏「インターネット社会におけるセキュリティーインフラの一翼を担いたい」と語る浜崎氏

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