このページの本文へ

日本IBM、WebSphere Application Server V3ファミリーの記者説明会を開催

1999年10月15日 00時00分更新

文● 若菜麻里

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

日本アイ・ビー・エム(株)は14日、米国で9月20日に発売されたウェブアプリケーションサーバー『WebSphere Application Server V3.0』(以下、WebSphere)ファミリーの新機能に関する記者説明会を開催、米IBM社のWeb Server Marketing Application and Integration Middleware、Product Management、Program Directorのナイジェル・ベック(Nigel Beck)氏らが、デモなどを交えて、新製品の機能などを紹介した。

e-ビジネス・アプリケーションの実行環境を提供するWebSphere

WebSphereには、『WebSphere Application Server スタンダード版 V3.0』、『同 アドバンスド版 V3.0』、『同 エンタープライズ版 V3.0』の3製品および、これらの製品群にキャッシュ管理やロードバランシングなどの機能を提供する『WebSphere Performance Pack』がある。これらの製品は、日本では年内に正式発表予定だ。

それぞれの特徴やV3での新機能は次のとおり。

・スタンダード版
ウェブ開発者をターゲットにしており、動的プレゼンテーション・コンテンツやロジックが開発可能。Javaサーブレット実行・サービス環境、JSP(JavaServer Pages)、XML(eXtensible Markup Language)などをサポートする。V3からは、複数サーバーをまたがったセッションおよびステート管理が可能で、新機能“サイト・アナライザー”により、複数プラットフォームからのウェブアクセスログの解析などができる。

・アドバンスド版
スタンダード版の機能が拡張されたサーバーで、業界標準のEJB(Enterprise JavaBeans)をサポートし、高度なトランザクション機能を提供する。今回新たに、複数ノードをサポートするとともに、ノード間のワークフロー管理およびフェイルオーバー機能が追加された。さらに、“Model/Clone機能”が加えられた。この機能では、“モデル”(アプリケーションサーバー)から、“クローン”と呼ばれるコピーが作成できる。クローンは、複数個作成が可能で、オリジナルのモデルとは別のJVM(プロセス)で動作する。クローンは、同一のマシン上でも、別のマシン上にも作成でき、たとえば、1つのクローンに障害が起きた場合は、他のクローンが替わりに処理を行なうといったワークロード管理ができるのが特徴だ。

アプリケーション・サーバーのモデルを作成する例
アプリケーション・サーバーのモデルを作成する例



・エンタープライズ版
アドバンスド版の機能をさらに拡張した、ビジネス・クリティカルなトランザクションシステム向けの製品だ。V3では、EJB 1.0に完全準拠し、コンポーネントブローカーテクノロジーや、またTPモニター・サーバー・テクノロジーなどが取り入れられている。

複数ノードや複数アプリケーションサーバー、サーブレット、EJBなどの状態をモニタリングしグラフ化する機能が拡張された
複数ノードや複数アプリケーションサーバー、サーブレット、EJBなどの状態をモニタリングしグラフ化する機能が拡張された



開発および運用ツールも含めたファミリー製品で柔軟なシステム構築が可能

IBMでは、ウェブアプリケーションの実行環境であるWebSphereを中心に、開発ツールとして、アプリケーション開発環境を提供する『VisualAge for Java』および、ウェブサイト開発向けの『WebSphere Studio』、また管理ツールとして、運用管理ツール『Tivoli』およびセキュリティ製品『SecureWay』といった製品群をWebSphereファミリーとして、位置づけている。

米IBM社のWeb Server Marketing Application and Integration Middleware、Product Management、Program Directorのナイジェル・ベック(Nigel Beck)氏
米IBM社のWeb Server Marketing Application and Integration Middleware、Product Management、Program Directorのナイジェル・ベック(Nigel Beck)氏



ベック氏は、「これらの製品の組み合わせることで、機能を補完・統合でき、ユーザーニーズにあわせた柔軟なシステム構築ができる」としている。

特に新製品の『VisualAge for Java V3.0』は、EJB開発環境をサポートするのが大きな特徴で、日本では年内に正式発表される予定だ。

また、『WebSphere Studio V3』日本語版は、9月28日に発表された新製品で、新たにJavaやJSP(Java Server Pages)、HTML、DHTMLなどをサポートしている。

なお、『Net.Commerce』や『Payment Suite』についても、今後WebSphereファミリーブランドに統合し、“WebSphere Commerce Suite”として、提供する予定だという。

ベック氏は、「V3の製品群の中で、サーバー製品においては、信頼性、可用性、拡張性などが向上し、また、開発ツールにおいては、開発者の生産性を上げるための機能改善が加えられた。それにより、e-ビジネスのソリューションにおいて、より強力でトータルな開発・実行・運用環境の提供が可能になった」として、説明会をしめくくった。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン