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【WORLD PC EXPO 99 Vol.29】意外に少ないグラフィック系の出展――独り気を吐くアドビ。メディアヴィジョンはコーレルが中心

1999年09月13日 00時00分更新

文● 千葉英寿

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7日より始まった“WORLD PC EXPO 99”が千葉市・幕張メッセにおいて無事に閉幕した。話題がWindows 2000やiBookに集中する中、グラフィック・ユーザーにとっても重要な製品やメーカーが出展していた。本稿では、そうした観点からグラフィック関係の出展品を一部紹介する。

アドビのメーンは『Photoshop 5.5』と『GoLive 4.0』

これだけの規模の展示会でありながら残念なことに、“ビジネスグラフィクス・ゾーン”と銘打たれたエリアには、グラフィック系やパブリッシング系のソフトウェアに関する出展が少なかった。
 
比較的大きな出展となったのは、発表したばかりの『Adobe Photoshop 5.5』と『Adobe GoLive 4.0』をメーンとしたアドビシステムズ(株)と、コーレルおよびメタ・クリエイションズ製品などを販売するメディアヴィジョン(株)。総体では、少々寂しい展示となった。

アドビシステムズ(株)は、“Make the Web even more...”をテーマとして、“Adobe Web Solution”を紹介していた。9月下旬の発売開始を予定している『Adobe Photoshop 5.5』および『Adobe GoLive4.0』をメーンに据えていた。

ステージでは、『Adobe GoLive 4.0』と『Adobe Photoshop 5.5』を実際に使用して制作しているユーザーを紹介した。登場したのは、日本のお笑い界を代表する吉本興業(株)。40周年記念を迎えた吉本新喜劇や同社ウェブサイトで活躍しているキャラクター“ゲラッピイちゃん”が登場するユニークなデモとなった。こうした趣向はこれまでの同社のお堅いイメージを払拭するに足るものだが、果たして来場者にはどう映っただろう?

お笑いの“よしもと”のキャラクターを起用したアドビシステムズの“Adobe Web Solutions”のデモ
お笑いの“よしもと”のキャラクターを起用したアドビシステムズの“Adobe Web Solutions”のデモ



また、サブステージでは『Adobe Acrobat 4.0』を中心に、PDFなどによる新しいデジタルコラボレーションを提案する“Adobe ePaper Solutions”や『AdobeIllustrator 8.0』のデモが行なわれた。

残念ながら、米国で発売が開始された『Adobe InDesign』に関する情報は得ることができなかった。

CorelDRAWには、いよいよMacintosh版も登場

メディアヴィジョン(株)では、コーレルやメタ・クリエイションズの製品を中心にデモを行なっていた。コーレル製品に関しては、単独のデモブースを用意し、Windows向けのプロフェッショナル・グラフィック・ソフトとして定評のある『CorelDRAW 9プロフェッショナル・エディション』や、9月中旬に発売を予定している『CorelDRAW 8J for Power Macintosh』を紹介。

メディアヴィジョンでは、3つのデモブースで『Corel』や『MetaCreations』をはじめ、さまざまなソフトを紹介していた
メディアヴィジョンでは、3つのデモブースで『Corel』や『MetaCreations』をはじめ、さまざまなソフトを紹介していた



CorelDRAW 9プロフェッショナル・エディションは、CorelDRAW 9にQuickTime ムービーやQuickTime VRが対応したペイントソフト『Corel PHOTO-PAINT 9』を同梱したパッケージ。ビジネスにおけるグラフィックワークをはじめ、幅広いグラフィック表現を実現するソフトながら、HTMLやPDFへのエクスポートにも対応し、ウェブ機能も充実している。

また、CorelDRAW 8J for Power Macintoshは、CorelDRAWとCorel PHOTO-PAINTの2つのアプリケーションを1つにまとめた統合グラフィックパッケージである。

世界的に見ると、Windows向けは限りなく標準に近いCorelDRAWだが、日本ではまだまだの観がある。メディアヴィジョンがコーレル製品を担当する以前に、本社が直接、日本でのマーケティングやサポートを行なうという大胆な戦略をとったことがあった。これが、ユーザー離れを起こす遠因となったと記者は感じている。

しかし、最近のCorelDRAW 9の人気とMacintosh版の登場も合わせて考えれば、今後は“アドビ追撃”もありうるのかもしれない。

メタ・クリエイションズ製品としては、人体や動物の3Dフィギュア・アニメーションを簡単に作成できる『Poser4 日本語版』を紹介していた。同製品は10月7日に発売を予定している。このほか、リアルで美しい3D景観が作成できる『Bryce4日本語版』など数々のデモを行った。

また、Windows向けグラフィックソフトの台湾メーカー、ユーリード・システムは、フォトレタッチもこなすウェブデザインソフト『Ulead PHOTOIMPACT 4.2』を中心に出展していた。

“ビジネスグラフィクス・ゾーン”では、ソフトの限定価格販売も

“ビジネスグラフィクス・ゾーン”以外に目を転じると、ビジネスグラフィックに関する製品がいくつか見られた。

日本アイ・ビー・エム(株)のブースでは、最新版のホームページ作成ソフト『ホームページ・ビルダー2001』を紹介していた。このバージョンでは、Java Scriptのロールオーバーを手軽に編集画面上で作成できる“ロールオーバーの作成”や、文字を上下させたり、グラデーションをつけたり、といった文字効果を演出できる文字アニメーションを加えた“ウェブアニメータ”などの新機能を搭載している。

また、“サイト一覧ダイヤログ”でリンクエラーがチェックできるなど、簡単にサイト管理もできるようになっている。価格は1万4800円。さらに同社ブースでは、デジタルカメラの画像の整理や簡単なレタッチ作業を実現する『デジカメの達人』も紹介していた。こちらは1万2500円。なお、この両製品はいずれもWindows 95/98/NT 4.0に対応している。

定評のあるウェブ作成ソフトの最新版『ホームページ・ビルダー2001』定評のあるウェブ作成ソフトの最新版『ホームページ・ビルダー2001』



日本ポラロイド(株)のブースでは、グラフィク統合ソフト『CANVAS 6(キャンバス6)』を紹介していた。CANVAS 6は、ベクトルデータの透明化を実現するSpriteLayer技術や高精度のテクニカルイラストレーション&ドローイングを可能とする、プロユースにもビジネスにも通用するソフト。対応OSは、Mac OS(iMac対応)、Windows95/98/NT。6万8800円のところ、会場限定価格として3万円で販売していた。

日本ポラロイドはCANVAS 6を特別販売していた。こうした特価販売が見逃せないのもExpoならでは日本ポラロイドはCANVAS 6を特別販売していた。こうした特価販売が見逃せないのもExpoならでは



また、こうした大きな展示会への出展には欠かせない、マクロメディア(株)やソフトウェア・トゥー(株)は“Macintoshソリューション・パビリオン”での小規模な出展にとどまった。

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