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“インターネットで就職活動”のリアルな実態--“JobWeb Seminar 1999~ネットワーク新時代の新卒採用戦略”セミナー開催

1999年09月03日 00時00分更新

文● 編集部 寺林暖

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ジョブウェブジャパン(Job Web Japan)は3日、各企業の人事担当者に向け“JobWeb Seminar 1999~ネットワーク新時代の新卒採用戦略”セミナーを開催した。同団体は、'96年に大学生の有志により設立された非営利団体で、現役学生と社会人の有志で就職情報サイトを運営。ホームページ上で就職情報を無料で提供するほか、メーリングリストを用意するなど、学生の就職情報ネットワーク作りを支援している。

初めに、同団体の代表を務める佐藤孝治氏が、2000年度の就職活動について「学生は就職情報サイトや企業サイトで企業情報を事前に調べ上げ、ページ上で就職申し込みが可能な場合にはすべてエントリーしてしまう。しかし実際の選考過程に入ると、セミナーや面接の実施日が重なり、参加は物理的に不可能になる。最終的には志望目的や人事部の態度で、就職試験を受ける企業を絞っている」と語った。

ジョブウェブジャパン代表の佐藤氏
ジョブウェブジャパン代表の佐藤氏



「当サイトでは6月30日現在、2万3432人の会員が活動を行なっている。男女比は男性62パーセント、女性38パーセントと女性の割合も高く、148のグループがメーリングリストで議論や情報交換をしている。2000年4月には会員数10万人達成を目指し、大学/学生/企業間の新しい関係を創造するコミュニティーを形成したい」と語った。

「片っ端からリクナビでエントリーしました」


パネルディスカッションでは、学生の率直な感想が飛び交った
パネルディスカッションでは、学生の率直な感想が飛び交った



佐藤氏の講演に続いて、パネルディスカッションが行なわれた。就転職支援スクールである我究館の事務局長、鈴木彩氏が司会進行を務め、今年度の就職活動を終えたばかりの学生5人がパネリストとして参加した。

学生の1人は「(就職活動前の)10~12月であれば、ダイレクトメールを読むこともできるし、応募はがきに必要事項をすべて書き込むこともできた。しかし、年初めからの就職活動時は時間的な余裕がまったく無かったので、もっぱら“リクルートナビ(注)”を活用した。同サイトはオンライン上から応募ができるので、募集可能な企業には片っ端からエントリー。“セミナー開催予定”の欄では“満員”と示されている企業が多かったが、人事に直接コンタクトを取って積極的に参加した」と発言した。

:リクルートナビ…リクルート(株)の就職情報サイト

また、ある学生は「就職活動にはお金がかかる。学校のパソコンで企業情報を収集したり、エントリーしたり、メーリングリスト仲間で連絡を取り合うほうが、経済的で役に立つ」と述べた。一方、「新卒採用ページの中には、応募し終えるまでに2時間ぐらいかかってしまう心理テスト形式の応募フォームもあった。入力する文字量が多いものは後回しにして、簡単な入力で済ませることができる企業を中心にエントリーしていった」という話も出た。

佐藤氏は最後に「インターネットは就職活動のツールとして定着したが、手軽さから“とりあえずエントリー”という学生も増えてきた」と指摘した。今後の新卒採用方法について、「プライベートセミナーまたは電子メールで、社員の生の声/明確な選考基準を伝える、内定後もアドバイスを送りつづけるなど、エントリー後の真摯なコミュニケーションが重要だ」と締めくくった。

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