【LinuxWorld Conference & Expo レポート Vol.1】Linuxカーネルのオペレーティングシステムたち
1999年08月17日 00時00分更新
9日~12日(現地時間)、米サンノゼのSan Jose Convention CenterにおいてLinux業界最大のイベント“LinuxWorld
Conference & Expo”が開催された。主催は、International Data Group社のビジネスユニットIDG
World Expo。ここでは、Linuxカーネルを利用したオペレーティングシステムを出展しているブースの模様をお伝えする。
Red Hat Linux 6.0
Linuxオペレーティングシステムでは世界第1位のシェアをもつ米Red
Hat社の“Red Hat Linux 6.0”。Linux 2.2
カーネルをベースにしたもので、今年4月に出荷を開始している。グラフィカルインターフェースにGNOME、KDEのいずれかを選べるようになり、SMPのサポート、パッケージマネージャーの大幅な変更などがあった。
Red Hat社のブース。棚左が通常パッケージとなるOfficial版、棚右がマニュアルを同梱しないCore版、男性が手に取っているのが電子商取引のサーバー用E-Commerce Server版 |
・Red Hat
http://www.redhat.com/
米アダプテック社のブースではRed Hatのパッケージを展示し、インターフェースカード製品がRed
Hatに完全対応していることをアピールしていた。
アダプテック社のブース。インターフェースカード製品がRed Hat Linuxに完全対応していることをアピール |
TurboLinux Workstation 3.6
LinuxオペレーティングシステムではRed Hatに継ぐシェアをもつ米TurboLinux社の“TurboLinux
Workstation 3.6”。Linux 2.2.9カーネルをベースにしたもので、今年6月に出荷を開始している。Power PC搭載のMacintoshで動作する“TurboLinux PPC 3.6”は、9月の出荷予定。Intel版(TurboLinux Workstation 3.6)とバージョン番号をあわせるために、1.0からのバージョンアップになる。
米Applix社のブースでは、TurboLinuxに完全対応した“Applixware for Linux 4.4.2”を展示していた。この製品は、ワープロ、表計算、データベース、電子メール、グラフィックスなどのアプリケーションを含むパッケージ。TurboLinux日本語版に完全対応した製品も、出荷準備が整えられている。
TurboLinux社のブース。TurboLinux PPCは、iMacを使ってデモストレーションしていた |
ApplixwareをデモストレーションするApplix社のブース。Applixwareは、クライアントとしてのLinux普及の鍵を握っている |
・TurboLinux
http://www.turbolinux.com/
・Applixware
http://www.applix.com/
SuSE Linux 6.2
LinuxWorldの開幕と同時に発売された独SuSE社の“SuSE Linux 6.2”。Linux
2.2.10カーネルをベースにしている。製品パッケージには、Linux上からほかのオペレーティングシステムを起動するための米VMware社のエミュレーションソフトウェア“VMware”の評価版(時間制限あり)が同梱される。また、Applix社の“Applixware”を含むオフィススイート製品“Linux Office Suite 99”も展示されていた。
SuSE社のブース |
・SuSE
http://www.suse.de/
OpenLinux 2.2
米Caldera Systems社の“OpenLinux 2.2”は、Linux 2.2カーネルをベースにした製品。カナダCorel社のWordPerfect
8ダウンロード版、米Star Division社のStarOffice 5パーソナル版、スケジューラーを同梱している。同社は、10日、Applix社が“Applixware Office 4.4.2”のOpenLinux完全対応版を出荷すると発表している。
Caldera Systems社のブース |
・Caldera Systems(OpenLinux)
http://www.calderasystems.com/
Debian 2.1
ボランティアによる“Debian”開発プロジェクトのブース。世界各国から、40人以上の開発者たちが集まった。“Debian”は1993年に当時学生だったIan Murdock氏が開発したオペレーティングシステム。彼の妻“Deb”と彼の名前“Ian”を組み合わせての命名だった。その後、Murdock氏は開発プロジェクトを離れ、現在は世界中の1000人以上の開発者によってサポートが継続されている。
Debian開発プロジェクトのブース。ブースのスポンサーは、“.org Pavilion” |
・Software in the Public Interest(Debian)
http://www.debian.org/
Slackware 4.0
ボランティアによる“Slackware”開発プロジェクトのブース。SlackwareはPatrick
Volkerding氏が'93年4月に1人で開発をはじめたもので、現在は彼を含む4人の開発者を中心に14人のボランティアで開発を行なっている。世界各国に2万人以上の登録ユーザーを持っている。Slackware開発プロジェクトの代表であるPatrick Volkerding氏。ブースには、彼を含む4人の開発者の姿があった |
・Slackware
http://www.slackware.com/
LinuxPPC 1999
Power PC搭載のMacintoshで動作する米LinuxPPC社のLinuxオペレーティングシステム“LinuxPPC
1999”。USBを搭載するiMacやG3に対応し、USB接続のZipドライブなどのデバイスが使用できる(ただし,PowerBook
G3の外部USBポートは使用できない)。日本の代理店アミュレット((株)市川充商店)は、今後、LinuxPPC R5 日本語化キット『陽炎』を無償配布すると発表している。
右はLinuxPPC社販売責任者のJason Haas氏。左は、MKLinuxの開発メンバー |
・Linux PPC
http://www.linuxppc.com/
・市川充商店(アミュレット)
http://www.amulet.co.jp/