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“MINDSTORMSフェスティバル'99”開催!~ユーザーが伝え、広めるMINDSTORMSの楽しさ

1999年08月09日 00時00分更新

文● 坂田恵

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MINDSTORMの楽しさを伝える、手作りのフェスティバル

LEGO-MUG(LEGO-MINDSTORMS User Group JAPAN)主催による、“MINDSTORMSフェスティバル'99”が、8月8日東京ビッグサイトで行なわれる“東京トイフェスティバル”(主催:東京トイフェスティバル実行委員会)会場内で開催された。当日東京ビッグサイトでは“ワンダーフェスティバル”(主催:ワンダーフェスティバル実行委員会)も同時開催され、会場も来場者もホビー1色に染まっていた。

同フェスティバルを主催したLEGO-MUGは、レゴ社のロボット制作キット『MINDSTORMS』の愛好者がユーザーを広げることを目的に作った会。『MINDSTORMS』は、モーターやセンサーを内臓したブロックを組み立て、パソコンで作成したプログラムで自由に動かすことのできるキットである。LEGO-MUGでは、ホームページなどで、情報の公開や交換を行なっている。今回はMINDSTORMSシリーズ『Robotics Invention System(RIS)』の楽しさを多くの人に伝える、手作りのフェスティバルだ。

ステージではLEGO-MUG代表の古川剛氏が、MINDSTORMSのデモンストレーションを行なったステージではLEGO-MUG代表の古川剛氏が、MINDSTORMSのデモンストレーションを行なった



会場では、『LEGO MINDSTORMS Robotics Invention System』のハンズオンのコーナー(体験コーナー)が実施され、小学生から大人までが真剣に説明を聞きながら、ロボットの組み立てからプログラムまでを楽しんでいた。また、実際に『MINDSTORMS』が買える販売コーナーもあり、3万5000円で販売されていた。

最後に自分の作品をインスタントカメラで撮影してもらう11歳の男の子。「家ではレゴブロックはあるけど、これはもっと面白かった」
最後に自分の作品をインスタントカメラで撮影してもらう11歳の男の子。「家ではレゴブロックはあるけど、これはもっと面白かった」



“缶落としゲーム”、果たして優勝したのは?

観客が一番集まり、盛り上がったのがユーザーが作成したロボットによる“缶落としゲーム”。開催前からLEGO-MUGのホームページ内で詳しいルールが公開され、参加の募集が行なわれていた。規定のフィールド(台)上にならべられた10本の缶をすべて台から落とすタイムを競うゲーム。角の4つの黒い缶は中身が入っていて、他の6本は空の缶、中央の2本の黄色の缶は最後に落とすと、1本につきマイナス5秒が加算される、このルールを利用すると、マイナス秒の記録が誕生することになる。ロボットの種類により、自立走行部門、リモコン部門に分かれて競われた。

競技場を囲んで出場を待つ参加ロボットたち。ご主人様の思い通りに動いてくれるのか?
競技場を囲んで出場を待つ参加ロボットたち。ご主人様の思い通りに動いてくれるのか?



カメラやビデオを持った観客に囲まれて始まった“缶落としゲーム”は、観客はもちろん出場者も結果が予想できない波瀾ぶり! 1本も缶を落とせないままリングアウトしてしまうロボットに「あぁ~」、8本落とした後に最後に黄色の缶を落とす好プレイに「おぉ~」とゲームは白熱した。手作りの競技会だけに笑いをさそうトラブルや、最前列で観戦する子供たちが、缶を並べるお手伝いをするなど、ほのぼのとした場面も……。

結果は、自立走行部門では関陽介氏作の『Po(ポー)』が、マイナス8.1秒で1位。2位は、中島彦之氏作の『テナガ・ロボ』のマイナス5.3秒。リモコン部門では最年少の桐林星河君の作った『くわがた君』が、唯一の完走(10本落とせた)で1位。両部門総合で優勝した関氏には、製造中止でなかなか手に入らない『LEGO Technicスペースシャトル』、中島氏と桐林君にはMINDSTORMSの追加アイテム『RoboSports』と、ライトセンサー&タッチセンサーセットが贈られた。

総合優勝の関氏とロボット『Po(ポー)』。名前の由来はテレタビーズのキャラクター、ポーから総合優勝の関氏とロボット『Po(ポー)』。名前の由来はテレタビーズのキャラクター、ポーから

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リモコン部門1位の桐林君とロボット『くわがた君』。記録の裏には、ラジコンで培ったリモコン操作のテクニックがあったのだリモコン部門1位の桐林君とロボット『くわがた君』。記録の裏には、ラジコンで培ったリモコン操作のテクニックがあったのだ



他にも、ユーザーの制作した作品を展示して、来場者に投票してもらう“人気投票コンテスト”(技術部門、芸術部門、ユーモア部門、“アイディア”部門)が行なわれた。投票結果では、各部門を総合して一番投票の多かった、Joe氏作の『スーパー・ウォーカー』が受賞。そのままスターウォーズに登場しそうな作品で、技術部門、芸術部門の1位にもなった。

Joe氏の作品『スーパーウォーカー』。4本の足で歩いて、右折、左折することができる
Joe氏の作品『スーパーウォーカー』。4本の足で歩いて、右折、左折することができる



会場には、ユーザーだけでなく、賞品を提供するなど企業の協賛も多かった。もちろんレゴジャパンの関係者も参加していて「まだ日本では正式に扱ってはいないが、正式に扱うまでユーザーのみなさんに盛り上げてもらいたい」と語った。

レゴ社の思惑とは裏腹に、日本ではユーザーの年齢層がかなり高いのが現状ではあった。しかし、今回のイベントを楽しんでいる家族連れや、子供たちの姿を見ると、さまざまな可能性を秘めているLEGO MINDSTORMSと重なって見えてくるようだった。MINDSTORMSフェスティバルをぜひ続けて、何回か後には子供たちだけの競技会ができるくらい、ユーザー層が広がることをを期待したい。

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