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ノベル、ディレクトリーサービスツール『NDS』の新バージョンを発表

1999年07月12日 00時00分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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ノベル(株)は、ディレクトリーサービスツール『Novell Directory Service(NDS)』の最新バージョン『NDS 8』を発表した。NDS 8は、ネットワークリソース上にある情報を一括管理できるディレクトリーサービス。今バージョンでは、インターネット対応を考慮しスケーラビリティを強化した。1ツリーあたり10億、1サーバーあたり1億のオブジェクトをサポートし、データアクセスのパフォーマンスも向上したという。

DEN(Directory-enabled Networks)対応のネットワーク機器をサポート、TCP/IPやDNS、DHCP、SSLなどのインターネットにおける標準技術にも対応している。また、LDAP対応を強化し、NDSサーバーを、さまざまなLDAPアプリケーション実行用のサーバーとして利用できるという。

同社は、NDS 8の第1弾として、NetWare 5対応の『NDS 8 for NW5』を7月30日から提供する。NDS 8 for NW5は、同社ホームページから無償ダウンロード可能。また、'99年第4四半期には、Windows NT対応の『NDS 8 for NT』と、Solaris対応の『NDS 8 for Solaris』をリリースし、2000年にはLinux対応版の『NDS 8 for Linux』を提供するという。

同社マーケティング本部の船橋肇氏は、「これまでのディレクトリサービスは、企業ネットワーク向けのものだったが、インターネットの普及に伴い、ビジネスにインターネットを利用するケースが増え、企業に対してだけでなく、一般個人ユーザーへの対応も必要になった。ネットワークサービスにおいて、個人情報を管理する“アイデンティティ管理”が必要。NDS 8は、企業ネットワークだけでなく、インターネットを視野に置き、個人ユーザーにも対応している。われわれはNDS 8をインターネットディレクトリーサービスとして提供する」としている。

マーケティング本部の船橋氏
マーケティング本部の船橋氏



同社は、パートナー企業のNDS対応製品も合わせて発表した。

(株)エーピーシー・ジャパンは、NDS 8対応の電源管理ソフト『PowerChute plus v.4.3.3 for Novell』を9月6日に発売する。UPS(Uninterruptible Power Supply:無停電電源装置)とコンピューターをシリアル接続することで、電源障害時の自動シャットダウンやスケジュール管理、自己診断機能、ログ採取機能などを搭載する。NetWare対応で、価格は1万5700円。

大日本印刷(株)は8日、ICカードを利用してサーバーへの不正アクセスを防止するシステム『ネットワークログイン with ICカード』のNetWare 5およびNDS対応版を7月中旬に発売すると発表した。コンピューターに接続されたICカードリーダー/ライターにICカードを挿入し、ICカード用の認証コードを入力すると、システムが認証処理を行ない、ログインできるというもの。リーダー/ライターからICカードを抜き取ると自動的にログオフの処理が行なわれる。イニシャルライセンス料は50万円。

ノーテルネットワークス(株)は、企業向けのネットワークポリシー管理システム『Optivity Policy Service 1.0』を発表した。ネットワーク上のアプリケーションやユーザーごとにネットワークのサービスレベルを設定できるもの。NDS 8をバンドルしたWindows NT版およびSolaris版を'99年第4四半期に発売するという。

また、明日13から14日にかけて開催される同社のテクニカルカンファレンス“ブレインシェア ジャパン '99”出席のため来日した、米ノベル社ストラテジマーケティングプランニングディレクターのMichael Simpson(マイケル・シンプソン)氏は、発表会場で、企業データと電子商取引アプリケーションを連携させるための、XMLベースのディレクトリーサービス新製品『Connect4Commerece』も合わせて発表した。

米ノベルのMichael Simpson氏
米ノベルのMichael Simpson氏



Connect4Commereceは、企業内のアプリケーションとネットワークOS、データベース、ネットワーク機器など、ネットワーク上のさまざまなデータを相互に結び付けて管理できるというもの。データをディレクトリーに格納し、ディレクトリーによって定義されたセキュリティー設定に基づいて、各クライアントにアクセス権限を与えるというもの。既存のソフトウェアの設定を変更せずにネットワーク機器を接続できるという。各種データはそれぞれの所有者がコントロールできる。例えば、電子商取引アプリケーションから企業内データベースにアクセスする際の管理ツールとして利用できるという。

Simpson氏は「今後はネットワーク全体を統合し、ネットワーク上でのID管理を一括して行なうことが必要。Connect4Commereceによりネットワークコラボレーションが可能になる」としている。

Connect4Commereceは、英語版のβが'99年第4四半期に米国で提供され、NetWare 5とWindows NTに対応した製品版が2000年に発売される。その後、Solaris版とLinux版もリリースされるという。

左から、ノベル(株)代表取締役社長のPhilip Welch(フィリップ・ウェルチ)氏、Simpson氏、マーケティング本部長の鈴木正美氏、船橋氏
左から、ノベル(株)代表取締役社長のPhilip Welch(フィリップ・ウェルチ)氏、Simpson氏、マーケティング本部長の鈴木正美氏、船橋氏

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