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【World PC Expo 98】デザイン&パブリッシングはオマケ?

1998年10月10日 00時00分更新

文● 千葉英寿

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 盛況のうちに3日に閉幕した“WORLD PC EXPO 98”だが、一般ビジネスにフォーカスした展示やコンファレンスの中には、デザイン&パブリッシングに関わるものもいくつか見受けられた。ここではそうした展示やコンファレンスについてリポートする。レポーターは千葉英寿氏。

盛り上がりに欠けたデジタル・パブリッシングゾーン

 展示会場では、北ホールにおいてデジタル・パブリッシングゾーンが形成され、(株)ソフトウェア・トゥー、ライブピクチャー・ジャパン(株)などが出展していた。しかし、道路を挟んで離れていることもあってか、1~8のホールに比べ寂しい印象は否めなかった。対照的にホール5に出展したアドビシステムズや(株)メディアビジョンのブースにはグラフィックユーザーがたくさん詰めかけていた。

 “デジタル・パブリッシングゾーン”では、(株)ソフトウェア・トゥーが米Golive Systems社の『Cyber Studio』や米Quark社、米Adobe systems社製品を出品。また、『Flash Pix』を武器にWindowsイメージング市場での覇権を狙うライブピクチャー・ジャパン(株)も負けじと、ツール群を出品した。3Dやパノラマを扱えFlash Pixフォーマットをフル活用してWebコンテンツ制作に威力を発揮する画像作成ソフト『Live Picture reality studio』やWindows NTベースで『Flash Pix』に対応したWeb高速配信サーバー『Live Picture image server』などだ。

今後の『Flash Pix』の動向が気になるライブピクチャー・ジャパン(株)
今後の『Flash Pix』の動向が気になるライブピクチャー・ジャパン(株)



 “ソフトウェア・ゾーン”にも出展した(株)メディアビジョンは、“デジタル・パブリッシングゾーン”にも登場。長い間、日本でのサポートがあいまいになっていたカナダのコーレル社のブースを出していた。新登場となった統合グラフィックソフトである『COREL DRAW 8J』のプロフェッショナルエディション/パーソナルエディション(ともにWindows 95/98、Windows NT版)、フォトレタッチ・ペインティングソフト『COREL PHOTO-PAINT 8J』を出品した。メディアビジョンの初お目見えとなった。

ユーザーには一安心のコーレル社ブース。なかなか立派な構え
ユーザーには一安心のコーレル社ブース。なかなか立派な構え



 特設された“Crossmedia Solutionパビリオン”には、Windows DTPフォーラムを中心にコーヨー21、電通テックといった印刷系の企業やイーストなどのWindows DTPを支えている企業が出展した。特にWindows DTPフォーラムは、Windows 98で制作した広報誌『IOS』を配布するなど企業におけるWindows環境でのDTPのサポートを訴えていた。しかし、一般来場者にはあまり関心が高くないのか、足早に素通りする姿が見受けられた。立ち寄る来場者には、印刷会社などの同業者が多い。Windows DTP市場はまだ発展途上で、プロフェッショナルしか興味を示さないからだろうか?

アップル抜きの“クロスメディア”では盛り上がりもいまいちか?
アップル抜きの“クロスメディア”では盛り上がりもいまいちか?



Adobe Illustrator新バージョンが登場

 “ソフトウェア・ゾーン”に出展したアドビシステムズ(株)は、先日、発表になったばかりの『Adobe Illustrator 8.0』を中心にしていた。Webコンテンツのクリエイターの評価の高い新しいWeb用画像制作ソフト『Adobe ImageStyler』」なども紹介していた。プレゼンテーションは、アドビブースのクリエイターとブース担当が直接会話して製品説明を受けていたこれまでのスタイルから一変した。メインステージの演出(ハードウェアベンダーの大袈裟なプレゼンテータの演技を思い出してください)を中心としたものになっており、残念な印象を残した。

アドビシステムズ(株)のメインステージでは『Adobe Illustrator 8.0』を中心に紹介した
アドビシステムズ(株)のメインステージでは『Adobe Illustrator 8.0』を中心に紹介した



デモブースでは、各ソフトを細かく説明が行なわれた(撮影 Nikon COOLPIX900で撮影)デモブースでは、各ソフトを細かく説明が行なわれた(撮影 Nikon COOLPIX900で撮影)



 アドビシステムズブースの隣りでは、メディアビジョンが、さまざまなグラフィックスアプリケーションを出品した。3DCG&アニメーションツールの『infini-D 4.5日本語版』(Hybrid版)や『Painter Classic日本語版』(Hybrid版)といった米MetaCreations社製品を中心にしている。後者は、デジタルアートソフトの定番ともいえる『Painter 5』の姉妹ソフトで1万8000円という低価格である。

 会場で話を伺ったあるデザイナーの方は、「アドビ製品やその他のグラフィック製品を見に来たのですが、広い会場に関連製品がばらばらに展示されているので、たった一日ではとても見ることができないですね」と当惑した表情で語ってくれた。せっかく、多様なグラフィック関連企業が出展しているにも関わらず、“デジタル・パブリッシングゾーン”が不調で出展がバラバラだったのは、大変残念である。次回はその辺りの構成をぜひ考慮して欲しいという声があがっていた。

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