松下電器産業(株)は、市街地図のデータをもとに、携帯端末の画面で見られるような簡略化した地図を自動的に作成するシステムを開発、本日記者発表を行なった。
記者発表で用いられたシステムは、同社のワークステーション『PanaStation
SS-UA2』(米サン・マイクロシステムズ社からOEM供給された製品で、OSはSolaris2.5、CPUはUltraSparc1、メモリーは128MB搭載)をWebサーバーとして使用し、PHS付きの携帯端末『Pinocchio』(画面は300×240ドット)をクライアントマシンとして使用した。また、市街地図は、国土地理院発行の『数値地図10000』を使用した。
『Pinocchio』の画面上で、出発地と目的地を指定し、PHS経由で、そのデータを送ると、ワークステーションがデータベースから該当する地域の地図データを検索する。
細い道路の消去や長い直線道路の短縮などを行ない、さらに、目印になる建物などのデータを加える。
『Pinocchio』の画面に適したかたちで、表示される。
出発地から目的地までが1.5km程度の地図の場合、検索に約2秒、ワークステーションから『Pinocchio』に転送するのに約1秒かかる、と同社は発表している。
本日の発表では携帯端末が使用されたが、同システムで作成された地図は、HTML2.0以上に対応したブラウザーで見ることができるため、パソコンからサーバーにアクセスして、地図を検索し、表示させることも可能という。
実用化は、1年後となる見通しだが、同システムにどれくらいの需要があるか、どういった分野での活用が見込まれているか、という点に関し、同社では「技術的な側面が固まった段階で、事業化の見通しは現時点ではたっていない」としている。
同システムは、現在特許の申請中で、13日に横浜で開かれる情報処理学会モーバイルコンピューティング研究会で発表する予定。(報道局 佐藤和彦)
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