郵政省は、電気通信技術審議会の答申を受けて、2000年に放送を開始するBSデジタル放送の標準規格を発表した。
映像の表示方式では5つの規格を定めているが、実際にどの方式を採用するかは、放送局、受信機メーカー、消費者の自由な選択に任せるとしている。
この5つの方式の中には、パソコンの画面表示との共通性が高い“720p”という方式も含まれており、パソコン業界にも配慮したかたちとなっている。答申では、「『実証実験』を必要とする映像の表示方法」という注釈があるように、現時点では実証されていない技術だが、将来的にはアンテナとチューナーがあればパソコンでもBS放送が視聴可能になる、という。
5つの方式には、現行のテレビと同じ規格や、より高精細のハイビジョン規格も含まれている。今年の秋にもBSデジタル放送の事業者が決まる見通しだが、各事業者がどの方式を採用するかは未定で、複数の方式を採用することも考えられる。また、受信機を製造するメーカーも、5つの方式すべてに対応する製品を作ったり、複数の表示方式を受信し、ひとつの方式に変換して表示する製品を作る、といったことも考えられる。
なお、今回の規格には、現在のアナログ方式のBS放送のアンテナやチューナーでも、アダプターを付けることでデジタル放送が受信できるようにする、という項目も含まれている。(報道局 佐藤和彦)
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