日本電気(株)社内で活動を続けている、エコパソコン開発プロジェクト“Studio
e4”が、本日成果発表会を行なった。Studio e4は'94年に発足した10名ほどのグループで、環境問題という大きなテーマのもと、リサイクル素材を使ったパソコンや家電製品などの作成に取り組んでいる。
パソコンや家電製品は、新技術が取り入れられたものが絶え間なく市場に出回っており、消費者は次々に新しいものを購入している。ひとつ古いタイプのものはすぐに破棄されているのが現状だ。Studio
e4のメンバーは「いかに有害な物質(ゴミ)の量を少なくするか」に目を向け、リサイクル素材を駆使したエコロジーパソコンの作成に踏み切ったのだ。さらに、「少しでも長く使ってもらえるように」と、外観にも細心の配慮をし、コンパクトな液晶画面、薄型でシンプルなキーボード、渋い黒の筐体など、インテリアとしても十分に使用できるものに仕上げている。ちなみにパソコン本体の筐体を黒にした本来の理由は、「リサイクル素材はさまざまな不純物が混ざっているので、白いパソコンではゴミなどが目立ってしまう。黒にしたのは不純物を目立たせないため」とのこと。
エコパソコンは省エネを考慮し、パソコン本体からCPU、CD-ROMドライブなどをそれぞれ独立したユニットにしている。電源はひとつのみで、そのほかは赤外線による光通信でつながっている。各ユニットには側面に細かい突起のあるゴムシートが張ってあり、個人で必要な部分だけそろえて、組み立てて使用できるように工夫されているのだ。
残念ながら、エコパソコンは今のことろ市場では手に入らず、予定もないとのこと。だがStudio
e4のメンバーは、「今後必ずわれわれのプロジェクトが幅広く評価されるときがくると信じている」と語っている。(週刊アスキー編集部 宮澤聖子)