NTTが開発した64Kbpsプロトコルは、32Kbpsの協会標準規格“PIAFS”のベースである、NTTが開発したデータ転送制御手順“MODS
ARQ(SR ARQ with Moduro Operation Using DataField)”にさらに改良を加えたもの。ARIB標準に準拠し、現在商用サービスが行なわれている、29.2KbpsのPIAFS方式の2倍、58.4Kbpsの転送速度を実現したという。
56Kbpsプロトコルの開発に当たっては、現在あるソフトウェアやハードウェア資産を有効活用するため、PIAFSと同一の制御手順を採用してクロック周波数だけを2倍にするなど、変更点をできる限り少なくした仕様にしたほか、有線に比べ不安定になる無線通信の特性を考慮し、電波の届きにくいセル端(無線基地局のカバーできる範囲の端)などでの通信の無線通信品質の低下を抑え、伝送速度の改善を図っているという。
64Kbps対応のPHSを使用することで、ISDNサービスとの整合性が向上するほか、64Kbps対応のPHS端末2台による、最大128KbpsのMP(Multi-link
Protocol)通信も可能になるという。
ワイヤレスTAなどを利用した屋内向けの使用は、'98年にも実用化される見込み。屋外向けは、PHSの各事業社(NTTパーソナルやDDIなど)による機器局の改良の必要もあり、未定としている。(報道局 井上哲郎)
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