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あなたのメールが警察に覗かれる!?“盗聴法”に反対する市民集会開催

1997年12月09日 00時00分更新

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 法務省が国会提出に向け準備を進めている“組織的犯罪対策法”(盗聴法)に反対する市民団体“盗聴法成立阻止ネットワーカー連絡会(JCA反盗聴法プロジェクト)”が、都内でシンポジウムを開催した。JCAはNGOなどのコンピューター・ネットワークの活動をサポートするために'93年に設立された団体。パネラーとして、富山大学経済学部教授の小倉利丸氏、JCA-NET理事の福冨忠和氏、(有)市民電子情報網代表取締役の安田幸弘氏が同法案の問題点を語った。

 焦点となったのは、同法案が犯罪の捜査のために裁判所の令状に基づいて、電話やコンピューター通信の傍受ができるとしている点。日本ではじめて盗聴に合憲性を持たせるもので、技術的な方法についても不明な部分が多く、人権侵害が問題とされている。インターネットのどの部分で傍受するのか(プロバイダーなのか、電話回線なのか)、犯罪にはまったく関係のないメールまで傍受することにならないか、本人が見る前に警察が見ることにならないか、警察によるデータ改ざんの危険性や監視のための別件盗聴があるのではないか、などである。

 '86年に、1年半にわたり警察官が組織的に共産党幹部宅の電話を盗聴し続けたことが明るみに出た。東京地検が盗聴関与を認めた上で警察官たちを起訴猶予とした事件を例に出し、「薬害エイズのときのようなもので、警察が過去に行なった盗聴を明らかにしてから、このような法律をつくるべき」(衆議院議員・保坂展人氏)。また与党協議資料の法務省回答によると、「通信傍受が犯罪検挙率全体に影響を及ぼすことは考えにくい」と述べられ、「要するに盗聴で検挙率は上がらない」(小倉氏)。傍受には莫大なコストもかかり、傍受の有用性が疑問視された。また「この法案はあまり知られていないので、仲間を増やしていくことが大切。実際に法務省までデモに行かなくても、自宅のデスクトップ上で“バーチャルアクティビスト”として個人個人が活動できるのではないだろうか」(福冨氏)といった提案もされた。一般にわかりづらい問題でもあるので、「気がついたら法が成立していた。いつの間にかメールの内容が警察に読まれていた」ということにならないように、もっと公に討議されていくべきだろう。

 主催者は、今日の集会にとどまらず、ネットワークユーザーおよび自由なコミュニケーションの権利を擁護する人々との多様な連携をつくり、法案の国会上程阻止のために闘うとして、集会をしめくくった。(報道局 若名麻里)

http://www.jca.ax.apc.org/jca/

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