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“日欧LinuxフリーソフトウェアConference”を開催

1999年06月24日 00時00分更新

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フランス大使館は24日、東京・日仏会館で“日欧LinuxフリーソフトウェアConference”(共催 日本Linux協会、TLUG)を開催した。これは、フランスを中心とするヨーロッパのLinuxやフリーソフト開発関係者と日本の関係者が交流を図るために実施されたもの。海外のフリーソフトウェア開発者ら約15名が来日し、終日コンファレンスが行なわれた。同イベントは明日25日まで開催され、ヨーロッパ、日本などの関係者による合計28のセッションが実施される。

入り口に置かれた案内版。イベントというよりは、交流の場という雰囲気だ
入り口に置かれた案内版。イベントというよりは、交流の場という雰囲気だ

1日目の24日は、フランスBull社のソフトウェア事業部門であるBullSoftによる、LinuxとEJB(Enterprise Java Beans、サーバー側Javaコンポーネント技術)ソリューションに関してのセッションや、ドイツのVshopのE-コマース分野での初のオープンソース製品である『Vshop』などの説明が行なわれた。

BullSoftは17日(現地時間)、BullSoft Application Platformにおいて、EJB(Enterprise Java Beans)に対応することを発表した。この件について、同社のディストリビューション オブジェクト グループのPhilippe Coq氏が来日し、日本で初めて説明を行なった。

BullのPhilippe Coq氏
BullのPhilippe Coq氏

Philippe氏は、まず、EJB仕様の実装を行ない、そのソースコードを公開することを説明。「これらは、フランステレコムの研究開発部門であるCNETやフランスのExOffice社とパートナー提携をして開発を進める」とした。なお、同社のWebサイトにてベータ版のダウンロードが可能。

このほか、ヨーロッパでは最も有名なLinuxディストリビューション『SuSE Linux』のマーケティング担当者も来日。開発元のSuSE社はドイツの会社で、『SuSE Linux』は現在、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、フランス語、英語の5つにローカライズされている。

同社は、Linux通信が独自に行なったインタビューで日本進出について以下のようにコメントした。「現在、日本を含めたアジア全体への進出を検討中。ただ、日本法人をいきなり設立するのではなく、パートナー企業と提携する形で実現したいと思っている。パートナー企業には、日本語ローカライズにおけるテクニカル的な要素、またその会社の持つサポート力に重点をおいて選択したい。」なお、同社のセッションは、明日25日の午前中に予定されている。

そのほか、マルチスレッドに対応したSQLデータベースシステムを開発しているスウェーデンのMySQL社CEOであるDavid Axmark氏も、オープンソースビジネスについてコメント。「ソースコード公開する最大の理由は、顧客の信頼を得るためである。そのアプリケーションを自由に見てもらうことで、お互いの信頼が生まれる。顧客の信頼を得るためにマーケティングや営業活動は必要だったが、ソースコードを公開すれば、そうした活動費用を発生させるこなく、実現できる。このメリットは大きい」と語った。

本日の出席者は約70名程度。参加者募集が開催ぎりぎりの日程で行なわれたこともあり、定員100名を割るものとなった。主催者であるフランス大使館Jean-Paul SMETS氏によれば、「現在のフランスでのLinuxの用途はサーバ向けがほとんど。ただ、デスクトップでの利用も多く、StarOffice、ApplixWareなどオフィス製品を利用している人も多い」とした。イベントは明日25日まで開催されている。ディストリビューションに依存しないLinuxインストーラ『Yasdi』を開発しているAlcoveの開発者や、Software AGの担当者による発表など、16のセッションが行なわれる予定。

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