「369」とは何の数字かお分かりだろうか?
これは、18歳未満の青少年のケータイ所持率を表す数字だ。小学生で3割、中学生で6割、高校生で9割という高い所持率となっている。
この普及率の上昇に伴い、近年、中高生のネットいじめを苦にした自殺や、掲示板などで情報が交換できるいわゆるコミュニティサイトなどで犯罪に巻き込まれる事件がメディアをにぎわすことが増えてきた。それらのことが問題視された結果、子どものケータイ所持や利用は、徐々に規制の方向に向かっている。
例えば1月30日から、NTTドコモは、未成年の既存契約者のケータイには原則フィルタリングがかかるようになった。これによって、フィルタリングを解除しないかぎり、同社のケータイを利用する全ての未成年ユーザーは、有害とされるウェブサイトへの接続が遮断される。2月、3月には、KDDI、ソフトバンクモバイルなど他社も追随する予定だ。
もっとも、フィルタリングを歓迎する親は多いだろう。「子どもが有害サイトにアクセスして事件に巻き込まれることがなくなる」と考える方も多いはずだ。しかし、本当にそうなのだろうか。フィルタリングに問題はないのだろうか。
「子どもにケータイもたせていいですか?」(インプレスジャパン)を1月に刊行した、フリーライターの高橋暁子氏に「最新フィルタリング事情」を聞いた。
子どもはネットやメールが好き
――電車の中でケータイを持つ子どもを見かける機会も増えました。だいたいイマドキの子どもたちはいつから使い始めるのですか? 「369」といった言葉もあるようですが。
高橋 中学1年生になると一気に所持率が増える傾向にあります。そこから高校卒業までの6年間で、ほとんどの子達が持つようになりますね。特に都心部の私立学校の生徒の所持率は高いです。
例えば、東京の私立中学校などは9割近くが持っていると言います。小学生の場合は親が塾の送り迎え時の連絡などに使うことが多いようですが、中高校生は周囲が持っているから持つようになるというケースが多いですね。ちなみに、モバイルラーニング研究部会調べによると、大学生はほぼ全員持っており、1台持ちが8割、2台以上が約2割です。
――キャリアの選択はどういう基準ですか?
高橋 恋人がいる子は、通話が無料になるので二人でウィルコムを持つと聞いていますね。ケータイでメールをするとき、子どもたちはさまざまな略語を使いますが、「コムる」と言ったらウィルコム同士で電話することです。
――10代といえば、モバゲーというイメージがありますが。
高橋 男子には、モバゲーなどの、オンラインでチャットしながらゲームができるサイト人気ですね。女子は、コミュニケーションが取れるコミュニティサイトが人気です。女子がコミュニケーション好きという面はありますが、そもそも10代は行動範囲が家と学校の往復に限定されていることが多く、趣味関心を同じくする人と知り合えるコミュニティサイトは人気の傾向にあります。
また、プロフは一般には中学生から徐々に利用率が高くなり、高校生くらいになって行動範囲が広がるとさらに増えるようです。全体に、メールとネットの利用が多いですね。