インターネットはただのツール
── 基本的に活動はネットでやってこられたんですか?
らっぷびと 楽曲を公開したのはインターネットからですが、「やっぱりライブとかクラブイベントといった『現場』でもできないとダメだな」という実感はありました。だから、3年くらい前から積極的に現場に出ています。
そのときは高校時代からの仲間と一緒に出ていました。ネットでの仲間も「現場」に出るようになっていて、有名なアーティストの制作に携わったり、客演で出るようになったという話も聞くようになりましたね。自分たちでも「World Wide Words」、略して「WWW」というネット系ヒップホップ限定のイベントを過去3回主催したこともあります。
── じゃあ、現場では「ネット出身」というのは偏見なく受け入れられてるんですね。
らっぷびと そうでもないですよ。「ネットでヒップホップ」の知名度が低いのに加えて、その存在を知っている人からも「ネットで有名でも現場でデキなきゃ意味ねえよ」といったプレッシャーを受けることはあります。
昔、日本にヒップホップが出たときに「J-RAP(笑)」ってバカにされてたんですが、同じように「ネットラップ(笑)」みたいに思われてる面もあります。
でも、自分たちはネットだから特別なんて思ったことはなくて、単にツールとしてネットを使っていたに過ぎないんです。だからこれからも特別「ネットラップを盛り上げていこう!」と意気込むつもりもないですね。
── ケータイで先行配信されて、9日リリースのコンピレーションアルバム「CDで聞いてみて。〜ニコニコ動画せれくちょん〜」にも収録されている「When They Cry」は、どういった曲なんですか?
らっぷびと 「ひぐらしのなく頃に」というゲームをモチーフにしたオリジナル曲です。このゲームを150時間くらいかけてクリアした後に創作意欲が湧いて、一気に作った思い出があります。一応ちゃんとCD用に手直しをしてあるので、前にニコニコで聴いたことあるよ、という人にも聴いてもらって違いを比べてみてほしいですねw
自分は、元々「アニメのフィールドにヒップホップを持っていきたい」のではなくて、「アニメ好きにヒップホップを聴いて欲しい」と思って今のスタイルを始めたので、この楽曲もアニソンっぽさを出さずに、ちゃんとヒップホップとして作っています。
アルバムに収録した曲の中には、昔からやっていた別名義でのオリジナル曲もあるので、このCDをきっかけにヒップホップに興味を持ってくれる人が出れば嬉しいです。
── 最後に今後の目標を教えてください。
らっぷびと まず「マイク一本」でメシが食えるようになることですね。自分を含めた昔からの仲間がスキルを磨きあって、それぞれが有名になったときに、また一緒にやりたいと思ってます。ネットラップ周辺の仲間も「実はあのアーティストとらっぷびとは前から知り合いだったんだぜ!」ってのが話題になったらカッコいいですよね。
あとはやっぱり自分の曲を聴くことでニコニコのファンやアニメ好きな人だけじゃなく、多くの人がもっとヒップホップに興味を持ってくれるようになればってな感じです。