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エンコードテクニック虎の巻 第4回

ビットレートで画質を調整! CBRの秘密!【固定ビットレート編】

2008年06月10日 23時00分更新

文● 藤山 哲人

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ムービーが苦手な映像はチョット高めのビットレート

 DivXもWindows Media Videoも、MPEG-1/2/4も基本的なエンコードロジックはほぼ同じ。これらは不得意とする映像が実はある。

 そ れ が 「 水 物 」 だ !

 小川のせせらぎ、さざなみの立つ海などが代表。霧や雨の中の映像もなかなか難しいぞ!

グラデーションはブロックになりやすい

空と海のグラデーションに加え水面のってのは結構、粒子があるものなのだ

 さらにグラデーションが激しい映像もブロックノイズになりやすい。水平線に向かう海や大空、夕焼け、そしてコンサート会場の照明。

暗い場所でのライティングは、かなり複雑なグラデーションになる。写真右は、海の粒子の細かいこと……

 さらに苦手なのは、つぶつぶの映像。満天の星空や砂丘を流れる砂などだ。
 今回エンコードした映像には、水物は含まれていなかったが、夕焼けのシーンやクロスフェード(元の画像と次の映像が除々にミックスされるシーンチェンジ)、霧がかかったシーンなどで、多くのブロックノイズを目にしただろう。またOP2の冒頭にある、星空のしーんでも結構ブロックノイズが発生している。
 このような映像をエンコードする場合は、1000kbpsを標準として最大2500kbps(3000kbpsまでやるとファイルが巨大になる)程度まで上げると改善される。
 また筆者の経験からは、次のシーンなんかも苦手。

・とろみのある中華料理(麻婆豆腐や酢豚など)のなべの中
 水物&粒子系が多くノイズになりやすい

・溶接や鉄工所の圧延工程
 こちらはグラデーションと火花の粒子がノイズになりやすい

 過去最強だったのは、テレビ放送終了時の砂の嵐!(いや~なぜか必要なシーンだったんでエンコードしたのさ(笑)) コイツにいたっては画面全体がランダムに動く粒子なので、物凄いブロックノイズになる。
 映像中にこれらのシーンがない場合は、昼間のスナップショットビデオなどは1000kbpsが目安になるだろう。

次回予告 

 始終で激しい動きを見せるムービーはほとんどない。ドラマやアニメであればなおさらで、絵にも緩急がつけられている。しかし「1-パス」の固定ビットレートでエンコードしてしまうと、動きの激しいシーンではビットレート不足になり、動きのないシーンではビットレートが過剰になってしまう。
 次回は、目標のファイルサイズに合わせつつ、動きのあるところでは高いビットレートに切り替え、動きのないシーンではビットレートを下げるVBR(可変ビットレート)を紹介しよう。  

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