動きの少ない絵は低いビットレートでもそれなりに見える
先ほどは比較的動きのある映像をエンコードしてみたが、今度はあまり動かない映像をエンコードしてみよう。ここにビットレートの醍醐味と塩梅の難しさを実感できるハズだ。
エンコード用の素材として利用するのは「いつか、届く、あの空に。」の動きの少ないオープニング映像“itusora_ps2_op.mpg”だ。素材映像は、こちらからダウンロード。
まったく同じ条件で、500kbps、1000kbps、2000kbpsでエンコードしてみよう。
ビットレート | ファイルサイズ理論値 | 実際のファイルサイズ |
---|---|---|
500kbps | 9.4MB | 9.8MB |
1000kbps | 17MB | 17MB |
2000kbps | 32MB | 29MB |
動きのある映像にくらべ、500kbps時の理論値と実際のファイルサイズの誤差が少なくなっている。さらに2000kbpsでは、理論値を下回ったファイルサイズになっているのが分かるだろう。
エンコードした映像は、コチラからダウンロード。
そして次の画質比較。
・500kbps
愛々々可愛いよ♪愛々々♪ってのは置いといて、動きが遅いとエンコードにも余裕ができるので、500kbpsでもこれだけの映像を描画できるのだ。
・1000kbps
動画として見ても、ほぼブロックは見られないほどハイクオリティな映像が出力できる。
・2000kbps
動きが少ない映像では、高いビットレートを指定すると、最高画質にしてもまだビットレートが余ってしまい、結果として理論値よりも小さいファイルが出力されるのだ。
固定ビットレートはどんなときに使う?
固定ビットレートでエンコードしたムービーは、常に一定のデータが流れ続ける。これはインターネットでストリーミング再生をする場合などに威力を発揮する。
インターネットには常に500kbpsなり1Mbpsなりのデータが流れるので、メディアプレイヤーが安定してデータを受信できるからだ。またカメラ固定で撮影したパネルディスカッションやセミナーなどの映像にも持ってこい。動きなんてほとんどないから、ビットレート最低にまで絞って、公演者が動いてもブロックノイズを出したまま乗り切る!(笑) 時間は長いがほとんど動きのない公演映像は、これでかなりコンパクトなムービーにできるはずだ。
またいちばん使うのは、次回説明する可変ビットレートでエンコードするのが面倒なとき(笑)。ドラマやアニメの内容さえ分かればいい場合は、固定ビットレートでざっくりエンコードした映像でじゅうぶんだ。
(次ページへ続く)
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