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120年間電球を作り続けた東芝ライテック

電球事業からの撤退は実はチャンス

2008年05月30日 20時11分更新

文● 中西祥智(編集部)

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月刊アスキー 2008年7月号掲載記事

ネオボールZリアルPRIDE

東芝ライテックが7月に発売する電球形蛍光ランプ「ネオボールZリアルPRIDE」。寿命は電球の12倍の1万2000時間にまで伸び、ガラスではなくプラスチックで覆うことで安全性も向上している。実売1200円。

 日本で初めて「白熱電球」が灯されたのは、1883年のことだった。1890年に設立された電球メーカー「白熱舎」は後に「東京電気」に社名を変更し、芝浦製作所と合併して「東芝」(当初は東京芝浦電気)となった。白熱電球の伝統はさらに、照明事業を分社化した「東芝ライテック」へ受け継がれた。

電球は年間1億個出荷

2006年度の国内出荷比率。1億個の白熱電球の大半が、今後電球型蛍光ランプに置き換えられることになる。

 だが今年4月、経済産業省は2012年までに国内での白熱電球の製造を終了し、電球形蛍光ランプへの移行を促す方針を明らかにした。電力を多く消費する白熱電球を廃することで、二酸化炭素排出量を削減する。これに呼応して東芝ライテックは4月14日、2010年をメドに120年続いた白熱電球の生産ラインを廃止すると発表した。

 東芝グループにとって、創業事業である電球事業から撤退というのは大きなダメージが――と思いきや、東芝ライテックはむしろビジネスチャンスと捉えているようだ。というのも、電球形蛍光ランプを日本で初めて製造したのも実は東芝で、同社はこれまで、電球の代わりとして電球形蛍光ランプの普及に力を注いできたからだ。政府方針は、同社にとって大きな追い風なのかもしれない。

東芝ライテック 2006年度の売り上げ比率

東芝ライテックの2006年度の売り上げ比率。電球や蛍光灯単体ではなく、照明器具も含めた「電材事業」が事業の主軸となっている。

 東芝ライテックが電球形蛍光ランプへの移行を促す理由には、CO2削減に加えて、電球に比べて単価が高く、同じ個数でも利幅が大きいことがあるだろう。だが、消費者にとっても移行のメリットは小さくない。例えば60Wの白熱電球の価格は約100円で、同じ明るさの電球形蛍光ランプの価格は1000円前後と約10倍になる。しかし寿命は約6倍に伸び、また消費電力は12W程度と小さいため、電気料金を含めると電球よりコスト面はお得だという

 2006年度に日本で出荷された電球形蛍光ランプは2300万個。対して白熱電球の出荷数は約1億1000万個だが、4年後には白熱電球の大半は電球形蛍光ランプに置き換わることになる。もっとも、電球形蛍光ランプのほうが白熱電球より寿命が長いため、全体の出荷数は減る見込みだ。

左から電球形LED。蛍光灯よりもさらに消費電力が小さく、寿命が長いLEDだが、価格は8500円程度で、普及にはまだ時間がかかりそう。さらに、レフ電球形あるいはシャンデリア形にも、電球形蛍光ランプは広まりつつある。

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