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週末見るコンテンツはコレ★ 第33回

【週末見るコンテンツはコレ★】

人間の生む恐怖をファンタジックに描く! 大人のための「グロテスク・ファンタジー」映画3作品

2008年03月28日 23時04分更新

文● 大石太郎

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テリー・ギリアムが描いた
グリム童話の誕生のウラ話
「ブラザーズ・グリム」

「ブラザーズ・グリム」のパッケージ

「ブラザーズ・グリム」のパッケージ。

ブラザーズ・グリム
DVD
価格:1980円
発売日:2007年2月9日(発売中)


発売:ハピネット
http://www.happinet-p.com/

 ファンタジーというか、妄想世界の映像作品といえばこの人の作品をチョイスしないわけにはいかないでしょう! そう、テリー・ギリアム御大です!

 彼の作品にはファンタジー色の強いものが多い。そのものズバリの「バンデッドQ」や、未来世界のファンタジー「未来世紀ブラジル」、そして「バロン」。そんな中でも「ブラザーズ・グリム」は今回の主旨にピッタリの作品だ。

「ブラザーズ・グリム」の1シーン

「ブラザーズ・グリム」の1シーン(c)2005 Miramax Film Corp. All Rights Reserved

 ギリアム流グリム童話は、一時期話題になった「本当は怖いグリム童話」的なテイストだ。「赤ずきん」や「白雪姫」、「シンデレラ」、「眠れる森の美女」など、世界的に有名なグリム童話に見え隠れする、恐怖と異常性を拡大解釈。借り物の世界のせいか、ギリアムらしさは少々薄いものの、万人が楽しめるエンターテイメント作品に仕上がっている。

 本作でのグリム兄弟は童話作家ではなく、各地に伝わる恐怖伝説をネタにインチキ悪魔祓いを企てる詐欺師兄弟。悪事は続くわけもなく、将軍に逮捕されてしまう。処刑直前に持ち出されたのは、ある村で起こった子供の神隠し事件を解決すること。どうせ同じような詐欺師が起こしたガセ事件だろうと現場に向かうのだが……。

 ファンタジー作品としてはよくできている。よくできているんだけど、前述したとおり、脚本に参加していないせいかギリアムらしさが足りない。もしかしたらギリアムは映画会社が用意した土俵でどこまで勝負できるのか、を試したかったのかもしれない。

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