「スポーツとMac」──と聞いてもピンとこない人がほとんどだろう。しかし今、世界のトップアスリートにとって、Macは欠かすことのできない存在なのだ。
東京・品川の(有)フィットネスアポロ デジタル・スポーツ・ソリューション事業部の橘 肇氏によると、'07年ラグビー・ワールドカップ・フランス大会の優勝国である南アフリカをはじめ、準優勝のイングランドと第3位のアルゼンチンの3国が揃って取り入れていた秘密兵器が、Macと「SportsCode」というソフトだという。
「SportsCode」は、FireWire接続のビデオカメラからアスリートの動きをMacに取り込み、データベース化して戦略分析やフォーム矯正に活用できるOS X専用の分析ソフト。競技に応じて抽出する要素を自由に設定できるのが特徴で、例えば、得点/失点に絡んだプレーはもちろん、「12番の選手」が「左からせめて」「得点したプレー」──といったような、複数の要素でシーンを抽出可能だ。ホッケーの国際審判ドン・プライアー氏が考案し、'96年にオーストラリアで開発がスタート。同じくオーストラリアのスポーツテック社が世界的に販売している。
「SportsCode」は'00年のシドニー五輪でオーストラリアチームが取り入れ、同国最多となるメダル58個(金16個/25個/17個)をもたらしたことを機に、米国やヨーロッパをはじめとした世界各国のアスリートたちへ一気に普及。記憶に残る'02年の日韓サッカー・ワールドカップでベスト4入りした韓国の躍進も、「SportsCode」に支えられたものだったという。
このほか、主な導入例には次のようなものがある。
- サッカー
- イングランドプレミアリーグ20チーム中14チーム
- オランダエールディビジ18チーム中8チーム
- '06年オーストラリア代表
- ラグビー
- 国際ラグビー評議会上位15カ国中13カ国
- '03年ワールドカップ参加20カ国中10カ国
- バスケット
- シアトルスーパーソニックス
- ホッケー
- '06年ワールドカップ参加12カ国中10カ国
- HCロッテルダム