米アップル社は現地時間の6日、次期iPhoneソフト「iPhone 2.0 Software」を今年の6月に公開するとともに、ベータ版を開発者と企業顧客に同日より提供すると発表した。「iPhone 2.0 Software」のベータ版には、iPhone用のソフトウェア開発キット(SDK)も含まれている。ベータ期間中は無料で配布し、正式版以降は個人ユーザーが年間99ドル、企業ユーザーが年間299ドルの開発者プログラムに加入する必要がある。
iPhone用SDKでは、iPhoneやiPod touch用のソフトウェアを開発するためのAPIやツール群を提供。SDKを利用すれば、サードパーティーがiPhone/iPod touch用のネイティブアプリケーションを開発できる。なお、iPhone/iPod touchのシステムはCore OS/Core Services/Media/Cocoa Touchより構成されているが、それらすべてのAPIが公開されるという。
ベータ版のSDKは登録すれば誰でも無料でダウンロードできるうえ、Macの中でiPhone/iPod touchの動作をシミュレートするエミュレーターや、実機を接続して直接デバッグするツールも付属している。
SDKを利用して開発したアプリケーションは、iPhone 2.0に搭載される「App Store」経由で配布する。これは、iPhone/iPod touchから利用するソフトウェア配布・販売サービスで、iTunes Storeのソフト版のようなものだ。
まず、「App Store」では開発者が自身のソフトに対して自由に価格を設定できる。そして、その30%をアップルが利用料として徴収するものの、クレジットカード利用料やホスティング費用などを別途支払う必要はないため、フリーウェアはあくまで無料で配布できるという仕組みだ。
なお同日、米アップル社と米国シリコンバレーのベンチャーキャピタル企業であるクレイナー・パーキンス・コーフィールド&バイヤーズ(KPCB)社は、iPhoneの開発者に対する1億ドルファンド「iFund」を開始すると発表した。
翌7日より、米アップル社は米国にて開催されたプレスイベントの模様をストリーミング配信開始。なおmacwebcaster.comが、日本語へ逐次通訳した音声データを配信している。