NTT(株)は7日、東京・武蔵野市の「NTT武蔵野研究開発センタ」で、同社の研究開発の成果を披露するイベント「NTT R&Dフォーラム 2008」を開幕した。8日まで開催する。
「知の流通がもたらす新たなコミュニケーションの世界へ」をテーマとした本イベント。展示会場は「ライフ」「ビジネス」「イノベーション」の3つのゾーンに分かれており、それぞれの分野での研究開発成果を披露していた。特に3月から商用サービスがスタートする予定の次世代ネットワークサービス「NGN」(Next Generation Network)を前提とした展示が比較的多かった。
ちなみに、展示会場のいくつかの開発中の技術デモに任天堂(株)の「Wii」が用いられており、NGNとWiiの結びつきについても、興味をそそられた。
未来の電話「t-Room」
電子透かしを利用した簡易認証
多眼カメラによるパノラマ映像生成技術
無線でも有線でもない通信
「レッドタクトン」と呼ばれる通信技術。人の体や机など触れているものの表面を通信伝送路として利用できるのが特徴。カギとなるモジュールをポケットに入れておけば、手を触れるだけで金庫のカギが開き(左)、プリンターに触れれば触れた人の印刷キューのみを実行し、印刷を開始する(右)
マイクロ燃料電池
SIP-Web間セッションID連携技術
1.5倍の発電量を実現する極低電圧昇圧モジュール
手を引いている感じで誘導するトレー
基調講演では、NTT代表取締役社長の三浦 惺(ミウラサトシ)氏が同社の取り組みについて説明。現在、ICT(Information and Communication Technology)が急速に進んでいく中で社会構造が変化し、幅広いサービスの融合が進んでいるとし、またSNSなどのユーザー参加型のサービスの普及、サービスのグローバル化など、これらに対応できるインフラの必要性を強調した。
その上で、NGNは通信品質の向上とセキュリティーの強化ができ、新しいサービスに柔軟に対応できるネットワークだとして、新しいネットワーク基盤に最適であることをアピールした。
また、今後の同社の成長においても新しいネットワーク基盤が必要だが、NTT東西でネットワーク構成が異なる現状においては、新ネットワーク構築にはお金も時間もかかる。それらのリスクを軽減する意味においてもNGNは同社にとっても必要であるとした。
