(株)ベネッセコーポレーションは22日、小学生・中学生・高校生向けに展開している添削型の通信教育「進研ゼミ」にて、インターネットを利用した新たな通信講座「進研ゼミ中学講座＋i（プラスアイ）」を開始すると発表した。2008年度から中学1年生を対象に開始し、2012年まで中学講座全体の移行を予定している。受講料は12ヵ月一括払いの場合で6万9600円。従来の中学講座からは820円～960円値上げする形となる。
代表取締役社長兼COOの福島保氏
代表取締役社長兼COOの福島保氏は教育事業としての進研ゼミ中学講座＋iの位置づけについて、「保護者の学習に対する考えが変化しており、プリント用紙だけでは満足できるものを提供できなくなってきた。教科書ごとのコンテンツや学校ごとの学習進度も多様化している。そのような部分に対応していくためにインターネットを利用した新たの学習の仕組みを提供しようと思い今日の発表に至った」と述べた。
2001年から2006年の間にインターネット利用率は20％以上増加している
学習進度の2極化も問題としてあげられた
現在提供している進研ゼミでは、送られる課題の解答を進研ゼミに送ると、「赤ペン先生」と呼ばれる講師から添削と問題に対するアドバイスが送られる2WAYのコミュニケーションを図っている。それに対して進研ゼミ中学講座＋iは、インターネットと従来の紙媒体を利用した「ブレンド学習型」の通信講座を目指す。ウェブ上で動画を利用した問題の解説を提供したり、マイクロソフト(株)のオンライン百科事典「エンカルタ」を搭載することで、分からない単語はすぐに検索できるようになっている。
コミュニティー画面では会員全体のログイン数や累計接続時間が表示
自分の学習成績をグラフで閲覧できる
学習することで入手できるポイントでアバターアイテムを購入できる
また、学習進度などが近い受講者は、まとめてクラス単位で編成される。これにより、ほかの生徒の存在を意識させることで学習意欲を芽生えさせたり、孤独な学習という印象を感じさせないようにする。
さらに、赤ペン先生にプラスして「クラスコーチ」というアドバイザーをクラス単位に設置する。クラスコーチはほかのクラスの成績や自分のクラスの成績を教えてくれるなど、生徒の間に連帯感芽生えさせ、生徒自身の学習意欲で継続できるように指導する。
対応OSはWindows Vista/XP/2000。ウェブブラウザーはInternet Explorer 6.0以上。Adobe Flash Player 9.0以上が必要。
ニンテンドーDS用学習教材も発売
あわせて同社は、任天堂(株)の携帯向けゲーム機「ニンテンドーDS」を利用した、中学生の教科書に対応した学習教材ソフト「得点力学習DS」を発売する。12月3日17時より受け付けを開始、2008年1月に出荷を開始する。店頭販売は行なわず、電話や同社直販サイトでのみ販売する。
得点力学習DS
ニンテンドーDSの中学生の所持率は80％（2007年、同社調べ）で家庭での普及率も高いことから、保護者に受け入れやすい環境として開発された。
学習後には正答数や取り組み時間が表示
間違えて問題に絞った学習も可能
中学校の教科書に対応しており、最初に実際に利用している教科書を選択することで、学校に合わせた学習が可能なのが特徴。タッチパネルを使った書き取りや英語の場合はマイクから実際の発音も聴取できる。学校のテスト範囲を入力することで、テストに出題しやすい問題を集中的に学習できる機能「テスト対策」を搭載している。
ラインナップは国語・数学・英語・理科・社会の5教科と各教科をまとめて収録したパックソフト5製品、計18タイトル。各教科ごとの単体ソフトは3990円。パックソフトは「中1,2英数国」が1万1550円、「中3英数国公民」が1万5400円、「中学理科・地歴」が1万5400円。中学1年生向けソフトをすべてまとめたオールインワンパック「中1英数国パック、中学理科・地歴パック」も販売する。こちらの価格は2万4990円。
