【インタビュー】Skimee開発者に聞くAIRの実力
サイバーエージェントの“Skimee”が、Adobe AIRのオープニングベルを鳴らす
2007年09月06日 21時00分更新
“Adobe AIR Developer Night”で見た
次なるAIRアプリの胎動
サイバーエージェントのAIRアプリケーション開発の取り組みは、正式なリリースとしてはほかのデベロッパーを先んじた形になったが、実はこの発表より前の7月10日に都内で開催された開発者向けイベント“Adobe AIR Developers Night”において、すでに数社数名のデベロッパーによる開発中のAIRアプリケーションのデモバトルが行なわれた。
ソニー(株)は多機能型ブログパーツサイト“FLO:Qプロジェクト”(http://floq.jp/)においてAIR活用を進めている。同社のデジタルカメラと連携させる“FLO:Q×AIR×Cyber-Shot”では、デジタルカメラで撮影した画像をパソコンに取り込むと、AIRアプリ上に表示され、ドラッグ&ドロップで画像をウェブサーバーにアップロードでき、さらにそれをAIRウィジェットの背景にもできる。
(株)セカンドファクトリーは、“NIKE+iPod”のランニングデータをAIRアプリに取り込み、管理する“Metabo Camp”(メタボキャンプ)を紹介した。デベロッパーのひがやすを氏は、以前Delphi(デルファイ)で開発したというデスクトップアプリをAIRにコンバートする仕組みを紹介した。このほかにも、(株)バスキュールは“Airworks”と“グリッドブラウザー”を、(株)ティーケーラボは、プッシュ型メディア“AIR SPACE”をデモし、AIRのポータルサイト“freestyle-lab”を開設することを発表した。
このAdobe AIR Developers Nightで注目を集めた(株)サイトフォーディーは、7月27日に行なわれた米アドビ システムズの社長兼COOのシャンタヌ・ナラヤン(Shantanu Narayen)氏の来日記者説明会でもデモを行なった。
同社のラボ“SiTE4D Labs”(サイトフォーディー ラボ)では、“SA-400系”と名付けられている12個の単体ウィジェットと、それらのウィジェットを連携して利用できる統合ウィジェット“SA0-501”などが公開されている。いずれも非常に完成度が高く、独特な世界観に基づいたデザインがなされており、AIRがウェブテクノロジーとデザインの利点を活かして開発できるという事実を示した。
また、現在開発中のものとして、(株)セールスフォース・ドットコムとの協業で開発している“ビジネス向けダッシュボード”(アプリケーションランチャー&インジケーター)や、ウェブサイトをトリミングして保存できる“ブックマークアプリケーション”など、次々にAIRアプリケーションを手がけていることも明かした。
同社代表取締役の隈元章次(くまもとしょうじ)氏は、「今回のAIRアプリケーションはMacを使って開発しました。AIRがマルチプラットフォームであることは重要です」と語った。
βバージョンのリリースによって、デベロッパーの間では一斉に動き出した感のあるAIRだが、コンシューマー(エンドユーザー)にとっては、AIRがどのようなもので、どれほど浸透してくるのかはまだまだ未知数だ。とはいえ、サイバーエージェントやソニーのような企業も積極的に動いているのは、AIRが確実に歩み始めたことを示しており、デベロッパーの取り組み次第によっては、コンシューマーへのAIR認知も大きく加速しそうだ。