KDDI(株)は23日、2008年3月期 第1四半期(2007年4月~6月)の決算に関する記者説明会を開催した。同社代表取締役社長兼会長の小野寺 正氏は「第1四半期は比較的利益が出やすい」としながらも、「今四半期は売り上げ、利益共に最高水準である」と語った。
小野寺氏はKDDIグループを含めた連結決算においては、au携帯電話機とツーカーを含めた移動通信事業が引き続き好調であるとし、“ひかりOne”などの固定通信事業の営業損失を吸収した、営業収益が前年同期比5.7%増、営業利益が前年同期比15.6%増の増収増益であると述べた。
移動通信事業については、営業収益が前年同期比5.5%増となる6748億円に達したほか、営業収益に対するEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前・その他償却前利益)の比率を表わす“EBITDAマージン”が初めて30%を超えている。また、月ごとの純増数もここ2ヵ月はソフトバンクモバイル(株)に抜かれているが、堅調に伸びており、今年6月にはMNP(番号ポータビリティ)による純増数の累計が100万契約を突破している。
解約率についても前年同期の1.04%に比べて、0.97%と0.07%と低下している。契約者1人当たりの月間売上高を示す“ARPU”では、前年同期の6810円から6430円と減少してきているが、CDMA 1X WIN端末では8160円と高く、「ハイエンドのWIN端末によって下支えが行なわれている」と述べた。
小野寺氏は、ソフトバンクモバイルの台頭による契約者数の増減について、「ソフトバンクモバイルが伸ばしているのは、うちが今まで手をつけていなかった部分を狙っており、その点ではよくマーケットを見ている」と述べ、「MNPの減少や解約率の向上などの面で影響が出てきたら問題だが、単純な数の大小ではあまり問題視していない」と語った。
また、19日に発表された“誰でも割”(関連記事)での基本利用料の割り引きについては「2年契約をすれば半額、というわかりやすい割り引きだと自分は思っている。単なる値引き競争に持っていくつもりはない」としたうえで、「(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモを意識した料金体系である」と語った(NTTドコモは基本利用料を半額に割り引く“ファミ割MAX”および“ひとりでも割引”(関連記事)を6月26日に発表していた)。