●テーマパークの夢をSecond Lifeで実現!
―― 本作品の見どころとしては、もちろん本編そのものもそうなのですが、かなり過激な“プロダクト・プレースメント”(映像内広告)もそのひとつであると思います。これはどういう意図があってこういうスタイルになったのでしょうか?
椎木 ご存じのように映画の収入源は、興業やDVDの販売だけでは十分とは言えません。そうした中でプロダクト・プレースメントというものが重視されています。しかしながら、通常の作品では数社から依頼をいただければ上出来というのが本当のところです。そこで本作品では映像自体をメディアと考えて、こういうやり方を取ることで、大きな収入源にしたんです。
F 普段の生活では、「あそこの角のファストフード店で」ではなく、「あそこの角のマク●ナルドで」といったやり取りがなされていますが、(従来の)映像作品ではその辺が不自然に表現されています。固有名詞や企業名は出てくるほうがリアリティーだと思ったんです。そこでこの方法が取られたわけです。
ところが、1月の終わりが〆切だったハズが、1月末になって五月雨式に掲載企業が決まっていって、最終的には合計25社になりました。もっとも作るのは僕ですから、そのころはちょっと触っただけでも爆発しそうなぐらいにカリカリしていたようです(笑)。これはFlash制作だから実現できたということもあるでしょうね。
いずれにしても、こういう大胆なことを制作に参加していた大企業がよく許したものだと思いますね。内容にも茶々を入れずに作らせていただいたのには、本当に感謝しています。もっとも、失敗してもロー・バジェット(低予算)だからこそ許されるという面もあったと思いますが。
椎木 それもこれもFROGMANという才能があったからこそだと思います。また、原作、原案を持っている自分たちですべて作っている、という、ほかではほとんど見かけられないスタイルで制作にあたっているということもあったでしょうね。
―― Second Life(セカンドライフ)内でのプロモーションを行なっているのもユニークだと思いますが、どういう理由でSecond Lifeに出したのですか?
椎木 私たち、DLEが目指すビジネスモデルは“プチ・ディズニー”なんです。キャラクターを自ら生み出し、映像ビジネスがうまくいって、最終的にはテーマパークを作ってしまう。なんて完璧なビジネスモデルなんだろう、と思います。そんな風に自分たちですべてをやりたいというわけです。いつか FROGMANのテーマパークを作ることができたらと考えています。
とはいっても、テーマパークのビジネスはそんな簡単に実現できるわけではありません。ところがSecond Lifeだと、テーマパークが作れちゃうんですよ。夢がかなってしまうんです。これが理由なんです。
―― 今後、映画のプロモーションとしてインターネットをどう活用したいですか?
F もちろんあらゆる形で活用していきたいと思います。現在でも、トイザらスと組んで、トイザらスのサイトでオリジナルのムービーを配信していまして、このコンテンツはトイザらスの店内でも上映しています。
将来的にやろうと思っているアイデアをここで披露してしまうわけにはいかないのですが、ネット限定のコンテンツはやりたいと思いますね。コンテンツをYouTubeを使って初出しするのも面白いと思います。
椎木 私たちはネットは一番上位に属するメディアだと考えています。テレビに出してしまうと、DVDが売れなくなるという部分があります。DVDを回収エンジンにするにはテレビでなく、やはりネットだと思います。