Flashアニメとしては初の劇場用映画として話題を集めている“秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE~総統は二度死ぬ~”。アカデミー賞受賞作や春休みの子ども向け映画など、強力な作品がひしめく中、大ヒットの予兆すらある。これに気を良くしたのかFROGMAN監督は、“東京国際アニメフェア2007”(今月22日~25日、国際展示場)の会場で次回作の制作も発表した。前回のインタビュー(関連記事)から1年、作品はどう変わったか、監督の暮らしぶりは豊かになったのか、FROGMAN監督を直撃した。
●「ジョーダンからコマ」の映画化
今月16日の劇場公開に合わせて、15日に行なわれたTOHOシネマズららぽーと横浜での先行レイトショー、および17日のTOHOシネマズ流山おおたかの森におけるロードショーでは満席を実現した。封切り以降も、平日にも関わらず満席の回を出すなど、好調に滑り出している。
31日からはお台場シネマメディーアジュで上映がスタートし、その後もTOHOシネマズを中心に、順次全国で公開される予定だ。大ヒットを予感させる本作品について、映画化のきっかけや今後の展開について、FROGMAN監督と監督をサポートするコンサルティングファーム、(株)ディー・エル・イー(DLE)の代表取締役社長の椎木隆太氏にうかがった。
―― まずは映画化おめでとうございます。一年前には同じ会場(東京国際アニメフェア 2006)で、“Flashでテレビシリーズっ!? すげぇ!”ってことでお話をうかがいました。
FROGMAN監督(以下F) 昨年のアニメフェアでASCII24(当時)に取り上げていただいたのが、何か始まりだったように感じているんですよ。
―― まさかまさかの1年経たずに映画化、というのは一体どういうことなんでしょう?
F 実はテレビシリーズが終了後、2006年の8月ごろに「次は映画化ですか」なんて冗談で言ってたんです。そのころ、ユニバーサル・ピクチャーズ・スタジオから「オールナイト上映をやろう」、という打診が来まして、その時、オールナイトで盛り上がったのは“踊る”シリーズか“STAR WARS”ぐらいで、よくて100人ぐらい、と言われていたのですが、これが予想以上に反響があって、急遽660人収容のスクリーンに変更しました。
そんなことがあって、東宝の担当者をご紹介いただいて、担当も最初は「なんぼのもんじゃい」みたいな(半信半疑な)反応だったんですが、担当本人が(作品に)ハマってしまって、すっかりその気になっていただき、先行発売で200席が数分で売れたんです。大阪のほうでも1分ちょっとで埋まったんです。
椎木 「ネットではメジャーだからといっても」、という反応もあったのですが、私たちとしては、すでにネットでは書き込みだけでもウン千人という数字を持っているコンテンツでしたので、自信はありました。
F そんな感じでうまくいったのがきっかけになって、映画化の話が本格的に進んだわけです。だからと言って、テレビ朝日や電通が絡めるような器の作品ではなかったのですが、どんどん周りのみなさんが面白がってくれて。僕たちは「いつであろうと公開してもらえれば」、という感じだったのですが、春休みにやろうということになり、TOHOシネマズの新しいシアターで掛けることになって。
ネットやアニメの世界ではそこそこの認知度はあったとは思いますが、やはり“NEWS23”(TBS系列)に出させていただいたのをきっかけに、ビジネスマンやカップル、映画ファンなどにうまく知っていただき、見ていただける層の幅も広くなったことがあったと感じています。