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WIDEプロジェクトとルイ・パスツール大学、“Mobile IPv6”のホームエージェントサービスの実験を開始

2007年03月30日 19時43分更新

文● 編集部

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“WIDEプロジェクト”と仏ルイ・パスツール大学(University Louis Pasteur)は29日、IPv6端末に移動通信機能を追加する拡張仕様“Mobile IPv6”を利用するためのホームエージェントサービスの実験を、4月1日に開始すると発表した。期間は2008年3月までの予定。実験サービスはユーザー登録を行なえば誰でも無償で利用できる。今回の実験は、IPv6における移動通信技術の研究/開発/普及促進を行なうコンソーシアム“Nautilus6(ノーチラス・シックス) プロジェクト”の活動の一環として行なわれるもの。

“Mobile IPv6”は、どこにいても固定のIPv6アドレスで通信できるようになるIPv6の拡張仕様。“Mobile IPv6”を利用すれば、ネットワークへの接続を切断させることなく、複数の無線ネットワークを切り替えて移動しながら通信を行なったり、無線ネットワークと有線ネットワークをシームレスに切り替えて通信を行なったりできる。“ホームエージェント”は移動端末がもともと所属するネットワークである“ホームネットワーク”に設置されたサーバー。移動端末が移動先からネットワークに接続するとき、ホームエージェントは端末との間にトンネル接続を構成し、移動端末が送信するパケットをいったん受け取って通信相手に送信したり、移動端末あてのパケットを代理受信して移動端末に配送する役割を果たす。

同実験で“Mobile IPv6”による通信を行なうためには、IPv6ネットワークと、“Mobile IPv6”の移動ノードソフトウェアをインストールした端末が必要。移動ノードソフトウェアは、“SHISA Project”“GO-CORE Project”“USAGI Project”などの研究プロジェクトのウェブサイトで公開されている。

WIDEプロジェクトとルイ・パスツール大学は、同実験の実施にともない、ホームエージェントの機能を操作するためのウェブユーザーインターフェースとなるソフト“HAiku(ハイク)”を共同開発し、オープンソースソフトウェアとして公開している。WIDEプロジェクトでは“HAiku”の公開によって、ほかのコミュニティーが“HAiku”を利用してホームエージェントサービスを開始することを期待しているとしている。

なおルイ・パスツール大学もホームエージェントの設置を進めており、フランスの学生や研究者およびWIDEプロジェクトの会員を対象にホームエージェントサービスを提供する予定。また“Nautilus6 プロジェクト”の一員である仏ブルターニュ電気通信国立大学(ENST Bretagne)も“HAiku”を利用してホームエージェントを学生や研究者に提供しているという。

WIDEプロジェクトは、オペレーティングシステム技術と通信技術を基盤とした新しいコンピューター環境の確立を目的とした研究プロジェクト。大学/企業など100以上の団体から、800名以上の研究者が参加している。

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