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10年先のインターネットを見据える――ヤフー、“Yahoo! Japan研究所”を4月1日に設立

2007年03月26日 18時04分更新

文● 編集部 小西利明

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ヤフー(株)は26日、4月1日に“Yahoo! Japan研究所”を設立すると発表した。“インターネットと社会の関係性”や技術の進歩によるインターネットの可能性などを研究する。米ヤフー社の研究所“Yahoo! Research”や国内の研究機関との連携による研究も行なう。研究所長は同社代表取締役社長の井上雅博氏が、最高技術顧問には慶應義塾大学教授の村井純氏が就任する。

井上雅博氏 村井純氏
研究所長に就任する、ヤフー 代表取締役社長の井上雅博氏最高技術顧問に就任する慶應義塾大学教授の村井純氏

同日、東京都内の同社本社にて開かれた記者説明会では、井上氏と村井氏により、Yahoo! Japan研究所設立の目的とその意義についての説明が行なわれた。井上氏は同研究所の目的について、今後もインターネットが健全に発展し、人々に便利に使ってもらうことが重要であるという認識に立って、ふたつの大きな目的を掲げている。ひとつは“ユーザーにとって便利なインターネット像の予測”で、もうひとつは次世代に向けた“技術革新の研究”であるという。

もう少し具体的なプランとしては、社会インフラとしてのインターネットの10年先を見据えた“インターネットの予測”といった長期研究と、2年以上のスパンで行なう“基礎研究”、商用化を重視した短期的な“商用・応用研究”の4種類の軸を設けて、事業展開への応用から、技術の発展や社会インフラの発展を目指す。

研究所の位置づけと、主な研究分野 研究所の位置づけと、主な研究分野。独自の研究だけでなく、米ヤフーの研究所や外部の研究機関との連携も図る

個々の研究については、同研究所だけでなく、Yahoo! Researchや外部企業/組織の研究機関との連携による研究も行なう。例としては、商用研究については同社の各サービス部門と、応用研究については外部の研究機関と、また基礎研究についてはYahoo! Researchの各研究所との連携が挙げられている。また井上氏は、研究テーマや成果については可能な限りオープンなものとして、外部の検証を経ながらやっていくと述べた。より具体的な研究例としては、以下のものが挙げられている。

具体的な研究テーマと、Yahoo! Researchやヤフーの事業部門との連携 具体的な研究テーマと、Yahoo! Researchやヤフーの事業部門との連携
自然言語処理
形態素解析や構文解析、意味解析といった言語処理に必要な技術と、これを応用した情報検索やウェブマイニング(分析)
情報検索
ユーザー操作のログなどを元に、大規模なログ分析を行ない、ユーザーの分類とそれを元にした“人間志向型情報検索技術”
情報デザイン
ウェブサイト利用時のユーザーの行動・生体分析と、それを反映したサイトデザイン
メディア処理
有害情報(画像・映像)の高速自動判別
インターネット生活予測
インターネットによる人間の生活習慣や社会行動への影響の調査

組織面ではヤフー内に設立されるが、各事業部等とは独立した位置にある。さらに同研究所内は、実際の研究を行なうR&D室と、その事務面でのサポート等を行なう研究企画室で構成される。両部門合わせて、設立当初は10名でスタートするが、井上氏は今後も積極的に人材を登用し、将来的に30~40名程度に増強したいとの考えを示した。

村井氏はこうした研究機関が設立される意義を、知財や医療、社会など、インターネットの登場によって変革していくさまざまな分野について、インターネットを軸にした視点を持って研究を行なう必要性があり、同研究所のような研究機関の役割であるとした。また1987年から1997年の10年間でのインターネットの変化は予測できないものであったが、1997年から2007年の10年間は、すでに1997年にはできあがっていたと振り返り、10年先を見通す経験が積まれてきたとしたうえで、10~20年先のインターネットを見据えていく必要性を強調した。

さらに、このような研究機関をヤフーが設立することについて村井氏は、ネット上の情報が人間の知識に編纂されていく過程の経験や情報は、同社が日本で1番有しているためだと述べた。そして、同社の持つ経験や情報を利用することで、新しい技術の標準化や地球環境の未来、新しい人と社会の確立といったものが生み出されるとの期待を示した。

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